これは難しかったです。「張孝兄弟」です。
棒を振り回している半裸の男性と、踏みつけられている人。この二人が張孝兄弟ではありません。乱暴な人は追いはぎで、踏まれているのが張孝兄弟の弟、張礼です。
おそらくこの挿絵を参考にしていると思われます。
二十四孝図会/葛飾戴斗 画 The British Museumのデータベースから画像をお借りしています。
この挿絵では、うずくまる張礼の右上に、必死に山道を駆け上って弟を救いに来た兄の張孝が描かれています。貞泉寺の彫刻では兄の張孝は不在です。なので、私も葛飾戴斗の絵を知らなかったときはこの彫刻を見ても「張孝兄弟」とは思いませんでした。
三島市の三嶋大社にも、この絵を参考にしたと思われる彫刻があります。