上から三段目、左側は閔子騫ですね。
先妻の息子である閔子騫にひどい仕打ちをしていた継母を、杖で叩いて追い出そうとする父親。それを思いとどまらせようと説得する閔子騫。母と一緒に追い出される寸前でも玩具で遊んでいる呑気な弟もいます。背景はうっすらとしか見えませんがおそらく玄関先でしょうね。
彫刻でも挿絵でも、閔子騫のお父さんは憮然とした表情でデーンと座っているか、もしくは杖を下して立っている姿が多いです。岩﨑家廟堂のレリーフのお父さんは今にも奥さんを叩こうとしている意気込みが感じられ、また閔子騫も必死で父親の袖にすがって引き留める感じが伝わってきます。
杖を大きく振り回しているわけでもなく、肩先から少し杖の先が覗いているだけなのにね。父親の前傾姿勢、気迫のこもった表情、閔損の両手が掴む袖の皺・・・生き生きとした表現にうっとり。
閔子・・・はなんとか読めます。きっと「閔子騫なんとか」って書かれてるんだと思います。
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岩﨑家廟堂のレリーフは鋳造師・岡崎雪聲(おかざき せっせい)の作。この岡崎さんは皇居の楠木正成像や上野の西郷隆盛像を鋳造したお方だそうです。
廟堂の前の大香炉も岡崎さん作。東京美術学校鋳金科の教師だったそうです。んま~。