氷の上で魚を押さえてニコヤカな王祥。
画像は「早稲田大学図書館古典籍総合データベース」より
内容:
・王祥は幼いころ母を失った。父は朱氏という女性と再婚。
・継母は王祥に辛く当たったけれど王祥は恨まず親孝行でした。
・生みの母が、真冬に魚を食べたがったとき、王祥は川へ行くが
氷が張って魚は見えず。
・王祥が服を脱いで氷の上に伏すと、氷が解けて魚が二匹躍り出たので捕まえて帰宅し、母に食べさせた。
・毎年氷が張ると、王祥が横たわった場所には氷の上に人の形が現れたという。
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景気よく氷から魚が躍りだしてますね。
こちらの彫刻は東置賜郡 貞泉寺の王祥。
♪♪おまけ♪♪ こちらも景気よく跳ね上がる魚。書籍前半の、日本の二十四孝の一人、竹内邑今女さん。
竹内邑今女(たけのうちむらのいまぢょ)
大和の国たけのうちむらの農民何某がむすめ 今女といへるは はやくより母にわかれ一人の父を限りなく大切になしけるが 家きはめてまづしくよろづ思ふにまかせねども その父がのぞむものは 心をつくしてこれをととのへ与ふるに あるとき鯉を食せんことをいふ あたりに大いなる流れもあらず
求めんとするにあたへなければなんとせんと案じわづらひつつ 前の小川へ家具(お膳やお椀などの食器)をあらひにいでけるに 不思議や たづさへゆきし桶のうちへ尺にあまる鯉踊り入けり 今女大きに喜び 父にすすめぬ これ天より孝女へたまはりしものなるべし
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お話は「王祥」と「姜詩」が混ざったような感じ。
父親が鯉を食べたいと言い出したので叶えてやりたいものの、近くに大きな川もないし買うお金もない。どうしよう、と案じながら家の前の小川へ食器を洗いに行くと、そのとき小川から大きな鯉が踊り出て、娘の持っていた桶の中に飛び込んだとのこと。
「大和の国たけのうちむら」。奈良県に竹内街道という場所があるらしいので、そのあたりにあった村でしょうかねー。
この今女さんは洗い物をしていたら桶に魚が飛び込んできた、ということで一躍有名になった女性でしょうか。それで和製二十四孝のメンバーとして本に載せてもらうまでにどのような展開があったのか、もしくは中国の孝子伝からヒントを得て創作された全く架空の人物なのか、そちらが気になります。