二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/絵本二十四孝(岡田玉山)・18 姜詩

姜詩。奥さんが良くできた人。姜詩本人はこの絵の中には登場してません。姜詩さんって二十四孝の中でいちばん存在感薄いような気がする。健気な姜詩の奥さんは存在感ありますけどねー。

画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より

姜詩 湧泉踊鯉

後漢の姜詩は。母につかへて至孝なり。其妻ホウ氏も。又姑乃意に順ひ。命に逆ふ事なし。母。井の水をきらひ。江水をのむ事を好めり。姜詩が家近く清江なきにより。ホウ氏日々遠きに至り。清流を汲かへりけり。或日雨風はげしくして。遅くかへりければ。姑。以ての外怒りののしりける故。姜詩。其怒りを休めんがため。妻を追出しけり。ホウ氏これを恨みとせず。父母の家にもかへらず。隣家の老婆をたのみて。昼夜紡績を事とし。姑の好めるものを調へ。老婆に托して。度々おくりければ。後には姑もこれを知て。我短慮を悔て。よびかへしけり。又母生魚の膾をこのみける故。常に調してすすめけり。後舎の側に。清泉湧て。其味江水に異ならず。此水より毎旦双鯉出て。供養の労を助けると也

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暴風雨でも嫁を遠くまで水汲みに行かせた鬼姑。

お姑さんに献身的に尽くす奥さん。ご褒美に天が湧き水と魚を届けてくれました。鯉は、文中では二匹ですが、挿絵では一匹ですね。

姜詩はどんな親孝行をしていたのか、この文章からは窺い知れない。優しい奥さんを追い出しただけ。追い出されてもなおお姑さんに尽くす、聖女のようなお嫁さん。

 

練馬区長命寺の姜詩。挿絵を立体的にするとこんな感じですね。

 

鯉は文章の通り二匹います。大きな鯉。女性に捕まえられるかな。

 

部屋の中には姜詩の母親。こちらのお姑さんは挿絵よりふっくらして温厚そう。