二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/絵本二十四孝(岡田玉山)・20 蔡順

母親用と自分用に果実をより分けていたとき盗賊に襲われるも、親孝行ぶりに免じて解放され、お土産まで貰った蔡順。

画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より

蔡順 拾椹供親

後漢の蔡順字は君仲は。汝南の人なり。幼少にて父にはなれ。母につかへて。孝を尽せり。此時王莽といふ逆臣。天下をぬすみて。兵乱うちつづき。飢饉しければ。母の養のために。椹(くはのみ)を拾へり。其器を二つ持て。実の赤きと黒きと。別にして盛るを。赤眉の賊といへる盗人ども見て。別々にするは如何なる事と問ふ。蔡順答て。 黒きは熟して。味甘き故。母の養ひに供え。赤きは熟せざるゆゑ。己が食とするといふに。さしもの悪賊も。孝心を感じて。米二斗牛の片ももを与へて去けり。其後母死していまだ葬ざるに。隣家より火出て。のがれがたく見へければ。蔡順。棺を抱き。哭号(なきさけ)び。天にいのりければ。火遂に蔡順か宅を越して。他の家にうつりけるとなん。諸人其孝感の奇特をたふとみけり

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奇特は火事を消すのではなくて、代わりに他の家を燃やす方向へ向かうという奇特。

盗賊団はもう少し襲う相手を選ぶべきだと思うの。高そうな服を着ている人とか、大きなお屋敷を狙うとか。