さてこちらは西王母の反対側の胴羽目の彫刻です。桃の実を持ち、脇には鹿を従えている男性。雲の上に乗っています。
鹿を連れた老人ということで「寿老人」として紹介もされているようですが、「東方朔」の可能性はないでしょうか?
東方朔は学者で、西王母の庭から不老長寿の桃の実を盗んで食べて仙人になったとか。能の「東方朔」は東方朔と西王母が皇帝に桃の実を捧げるお話です。
一方、七福神の一人・寿老人は巻物をくくりつけた杖や団扇、桃や鹿と一緒に描かれることが多いようです。雲の上に乗ってることもあります。
↓こちらの色鮮やかな彫刻は妻沼聖天山の寿老人。巻物付きの杖に団扇、鹿もいる、鶴もいる。
長寿のシンボル、亀もいる。オールキャストって感じ?でも桃はない感じ?
東方朔も桃を持ち、長寿のシンボルの鹿と一緒にいることがありますが巻物付き杖は持ってません。それでも「鹿」「桃」「雲の上」など共通する点が多いので判断に悩みます。
ということで、この長作諏訪神社の仙人は寿老人なのか東方朔なのか、どこで判断すればよいのかしら。やっぱ・・・顔?長作諏訪神社の人はちょっと学者っぽくなくなくない?
能シリーズで彫刻作ったなら「西王母」「菊慈童」ときて「東方朔」なら自然な感じ。「寿老人」っていう能はありませんよね。「西王母」に縁が深いのは「寿老人」より「東方朔」だと思うのだけれど・・・。成田山釈迦堂の二十四孝彫刻のようにタイトルもつけておいてくれると大変助かるのだわ。
こちらは境内の小さな祠の子安観音。赤ちゃんを抱っこしてますね。長寿や子供の健やかな成長を祈る人々の気持ちは不変ですね。
ーーー(長作諏訪神社の彫刻 終)―――