書籍/二十四孝図会(葛飾戴斗1819)
ラストは黄山谷。調度品や壁、植物、ひとつひとつの描き込みが細かいです。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵黄山谷 貴顕聞天下 平生孝事親 汲泉涓溺器 婢妾豈無人 山谷は宋朝の詩人なり、今に至りて詩家の司といはるゝ人にて東破の弟子…
残りお二人になりました。今日は親をかばって蚊に刺されまくる呉猛くんです。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 呉猛 夏夜無帷帳 蚊多不敢揮恣渠膏血飽 免使入親闈 呉猛は八歳の時より孝心ふかき人なり然れども家まづしくよろづ心にまか…
田真・田廣・田慶。♪でんしん三兄弟・でんしん♪ 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 田真・田廣・田慶 海庭紫珊瑚 群芳惣不知 春風花満樹 兄弟復同居 此三人は兄弟なりおや孝行にして兄弟むつまじく、両親におくれ財宝こと/″\く三つにわ…
張孝兄弟。絵だけ見ると棒を振り回しているのが主役の孝子かと思いそうです。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 張孝張礼 偶値緑林児 代烹云痩肥 人皆在兄弟 張氏古今稀 張孝張禮の兄弟天下大にききんとなりける時木の実を拾ひ八十にあ…
陸績。たもとから転がり落ちた橘の実を見てとがめる袁述。この袁述(術)さんというのは三国志に出てくる袁術さんですよね?最近「絵本通俗三国志」を読み始めました。挿絵が葛飾戴斗なので。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 陸績 孝…
東尋坊みたいな崖の上で星に祈る庾黔婁。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 庾黔婁 到縣未旬日 椿庭構疾深願将身代死 北望啓憂心 庾黔婁は南齊の時の人なりきわめて心ざし直清なりしかば、扇陵懸といふ所の官人となれり、則ち扇陵懸へい…
蔡順。桑の実を青いものと完熟したものとを分けてたために命拾いした人。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 蔡順 黒椹奉親闈 啼飢涙満衣赤眉知孝順 牛米贈君帰 蔡順は除南といふ所に住り父にはなれて母をやしなふその頃王まうといふもの…
鹿の扮装をして山へ鹿の乳を採取に赴き、猟師に狙われた剡子。山中でこんな怪しい格好の人物が近づいてきたら撃つわね。奥の二階家が200年前の住宅っぽくなくて現代でもありそうな佇まい。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 剡子(せん…
母と感動の再会をする朱壽昌。朱壽昌は細い橋の上。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 朱壽昌 七歳生離母 参商五十年一朝相見面 喜気動皇天 朱壽昌は宋の天長の世の人なり。七才の時父雇州の守護となりし時壽昌が母を去追出せり。夫より…
郭巨。当ブログで一番記事の数が多い孝子。彫刻の題材に多いのは、黄金の釜を掘り当てた、という幸運にあやかりたくなるんでしょうかね。子どもを埋めようとしていた闇の部分も釜の輝きで打ち消されてしまうようです。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The Bri…
王裒。背後に落雷してます。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 王裒 慈母怕聞雷 氷魂宿夜臺阿香時一震 到墓遶千廻 王裒はえいゐんといふ所の人なり父の王義罪なきに文帝王にころされしが、是を恨み仮にも帝王のかたへむく事なし、父のは…
夏は布団を仰いで涼しくしてから、冬は体温で布団を温めてから父を寝かせた孝行息子の黄香。右ページ上部には黄香の親孝行ぶりを褒めたたえた高札が掲げられて、人々が読んでいます。黄香の家を高台に持ってきて、高札と家の間に川を描いて、高さや距離を明…
董永。機織道具一式とともに天に引き上げていくところ。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 董永 葬父貸方兄 天姫泊上迎織絹償債生 孝感尽知名 董永はいとけなき時母にはなれ家ひん(貧)にして常には人にやとはれて耕作し賃をとりて日を…
楊香。これは虎が楊香の説得に応じて去っていくところのようですね。「とびかからんと見へし虎、たちまち尾をたれてしりぞきける」という絵ですね。いつも木の陰に隠れている気の弱いお父さんも安心して見守っています。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The B…
唐夫人。祖母に母乳をとられている幼子が母親に小さな手を伸ばして訴えています。おばあちゃんと母乳を共有ってヤだわ~。衛生的にもよろしくなくってよ。この子は断乳済だと思いたい。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 唐夫人 孝敬崔…
姜詩。彫刻だとちょいちょい不在にする姜詩がいます。でも何してるんだか。魚つかまえるのを奥さんに丸投げ中。「早くつかまえろ」って指図してるのかしら。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 姜詩 舎側甘泉出 一朝双鯉魚子能知事母 婦…
老莱子。印刷が薄くてちょっとわかりにくいですが、老莱子が水の入った器をお盆に乗せて運ぶ途中、ひっくり返して水がこぼれ、泣きわめいているところのようです。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 老莱子 戯舞学嬌痴 春風動綵衣 双親…
王祥です。氷の下に透けた魚影が見えるのがニクいところです。脇の木に脱いだ衣を掛け、魚籠も置いてあります。王祥笑っていますが氷は大変危険な状況です。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 王祥 継母人間有 王祥天下無至今河水上 一…
「曽参」といえば薪を担いだまま、または玄関先に放り出して母親のもとに駆け寄るシーンが主流ですね。こんな感じにね。 初頴日記故事・3 曽參 こちらが葛飾戴斗タイトの「曽参」。木に登って枝の伐採中です。そして遠い我が家では一人留守番している母親の…
閔子騫。変な帽子で顔が見えない父親。その父親と衝立の間で品よく座っているのが閔子騫ですね。優しげで、女性かと思いました。意地悪な継母は自分が産んだ子供二人を連れて家を追い出されそうになっているところ。衝立の上部には右から「葛飾ナントカ」と…
この「丁蘭」は異色です。下の文章を例に取ると、普通は「ははの形を木像につくり生(いけ)る人に仕(つかへる)ごとくせり」の部分をさし絵にするところですが。 ↓こういう感じにね。(「修身二十四孝」より、両親の木像に食事をお供えする丁蘭) でも戴斗…
「孟宗」といえば鍬でタケノコを掘っている場面が主流ですが、こちらの絵では収穫を終えて帰路についているところですね。竹林すら描いていません。鍬にタケノコ2本結わえて雪深い山道を下る男性。顔も見えません。彼の眼は右ページ奥にある集落の中の、母…
漢文帝。左のページで恭しく飲み物を運んでいます。右のページで一段高い部屋のカーテンの奥に座っているのが母の薄太后ですね。侍女が二人、薄太后のそばに控えています。漢文帝の左にある衝立は向こう側の障子の桟が透けて見え、外の風景の水面には帆掛け…
1819年版、トップは大舜です。大舜と象が2頭。鳥は・・・どこかな?画面右奥の丸い桶は井戸でしょうか。筵の日よけみたいなのも立ててありますね。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 Museum number : 1979,0305,0.537Title : Nijushiko…
葛飾戴斗の絵が面白いので、The British Museumの画像を利用して明日から一日一つずつご紹介させていただきます。 1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵 Museum number:1979,0305,0.537 Title: Nijushiko zue 二十四孝図会 Print artist: Ka…