二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

2023-01-01から1年間の記事一覧

再訪・市川市徳願寺の剡子

久しぶりに行徳の徳願寺に行きました。 4年前の記事は 前回よりは多少鮮明な画像が撮れました。 右手では猟師が矢をつがえようとしています。鹿のお腹の下にもぐりこんでいる怪しい男。 輪郭を描くとこんな感じなのかな? 呑気に鹿の乳しぼりをしている剡子…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・25 伯兪 (完)

二十四孝のお話ですが、25人目がいました。伯兪さんです。えーと・・・誰? 「伯兪泣杖(はくゆ きゅうじょう)」という言葉があるそうです。初めて聞きました。 漢の伯兪さんがある日母親に鞭で打たれたところ、その力の弱弱しさに、母親が年老いたことを知…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・24 陸績

24番目は陸績。袁術は戦闘の出で立ちですね。陸績は戦場編とお屋敷編の2パターンあるようですね。こんなことしてる間に敵が近づいてきたらどうするんでしょう。 国立国会図書館デジタルコレクションより 陸績孝悌皆天性 人間六歳児袖中懷緑橘 遺母報含飴 陸…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・23 田真

親の遺した木を伐って分ける相談をしている田真・田廣・田慶の三兄弟。木はそれを聞いてショックで枯れてしまいます。伐るのやめたと知ったらまた元気になりました。めでたしめでたし。 国立国会図書館デジタルコレクションより 田真海底紫珊瑚 群芳捴不如春…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・22 張孝・張禮

お互いに自分が犠牲になろうと主張する、張孝・張礼の兄弟愛。「じゃあ二人とも殺そう」とはならないあたり、血も涙もある盗賊ですね。そもそも「お母さんに御飯食べさせてから戻ってくるので僕を殺すの待って」という願いを了承するくらい人のいい賊ですか…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・21 呉猛

茣蓙の上で衣服を緩め横たわる呉猛。 蚊が描かれていないようです。親孝行というより、少年が昼寝しているようにしか見えない・・・。実は父親のためにかなり身体を張っているのに。 国立国会図書館デジタルコレクションより 呉猛夏夜無帷帳 蚊多不敢揮恣渠…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・20 庾 黔婁

ゆ黔婁。祭壇を作って北の星に祈ります。 国立国会図書館デジタルコレクションより 燭台が二つ、間にあるのは香炉? 左上隅には北斗七星。 庾 黔婁到縣未旬日 椿庭遘疾深願將身代死 北望啓憂心 庾黔婁南斉時人也 為孱陵令到縣未旬日 忽心驚流汗 即棄官帰家父…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・19 蔡順

桑の実を母の分と自分の分、二つに分けて収穫していたことで幸運を招いた蔡順。カゴ二つ、お米、牛の肉、盗賊と手下のフルコンボ。手下は「本当にこれあげちゃうんですか?」と盗賊の頭に目で訴えているよう。 国立国会図書館デジタルコレクションより 蔡順…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・18 剡子

目の悪い両親のために、鹿に化けて鹿の乳を取りに来た剡子。猟師に狙われてます。 鹿の子まだらな毛皮着てますね。洞窟(?)の奥で本物の鹿が訝し気に剡子を見つめています。 国立国会図書館デジタルコレクションより 剡子老親思鹿乳 身掛褐毛衣若不髙聲叫 …

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・17 朱壽昌

母を訪ねてはるばると、仕事も捨てて会いに来た朱壽昌。 国立国会図書館デジタルコレクションより 朱壽昌七歳生離母 參商五十年一朝相見面 喜氣動皇天朱壽昌生七歳 父出其母 母子不相見者五十年 壽昌行四方求之不已与人言輙流涕 熈寧初棄官入秦与家人訣誓 不…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・16 郭巨

郭巨。郭居敬の本「全相二十四孝詩選」では失われていた郭巨。 国立国会図書館デジタルコレクションより 「黄金一釜」はインゴットや中国の昔の通貨ではなく、釜で描かれてますね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 郭巨貧乏思供給 埋児願母存黄金天…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・15 王裒

雷嫌いだった母。彼女の死後も、雷から母親を守ろうとする王裒。 国立国会図書館デジタルコレクションより 王裒慈母怕聞雷 氷魂宿夜臺阿香時一震 到墓遶千廻王裒字偉元 至孝奉母平生畏雷既死而葬 毎遇雷震 即至墓曰裒在此勿懼 ーーー

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・14 黄香

父親の寝床を扇いで涼しくしている黄香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 黄香冬月温衾煖 夏天扇枕凉児童知子職 千古一黄香黄香字文強 年九歳而失母 事父盡孝 暑則扇其床枕席寒則以身温被 太守劉護表而異 ーーー 郭居敬の「黄香」も、父親不在で後…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・13 董永

董永。草っ原でお別れ。織姫にお付きの者は同行せず、単独で天へご帰還。 国立国会図書館デジタルコレクションより 董永葬父貸方兄 天姫陌上迎織絹償債主 孝感盡知名 董永字延年 後漢人 家貧傭力父死貸錢一萬而葬 道遇一婦人求為永妻 倶詣主人家令織絹三百匹…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・12 楊香

楊香。楊香は勇ましいけれど本当は優しい女の子~。 いや、女の子・・・ではないような気がする。 男性ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 楊香深山逢白額 努力搏腥風父子倶無恙 脱身饞口中楊香其父為虎曳去 香搏虎遂免於害 (確かに「娘」と…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・11 唐夫人

幼子のほかにお姑さんの世話まで献身的にこなす唐夫人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 唐夫人孝敬崔家婦 乳姑晨盥梳此恩無以報 願得子孫如 崔山南家之盛郷族 罕比山南曽祖 王母長孫夫人 年髙無齒祖母唐夫人事姑至孝 毎旦櫛縰拜於階下即升堂乳其姑…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・10 黄山谷

病床の母の世話をする黄山谷。黄山谷が手で抱えているものは溺器=尿器、いわゆる尿瓶ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 黄山谷貴顕聞天下 平生孝事親汲泉涓溺器 婢妾豈無人 黄山谷宋時人 時推爲江西詩祖元祐中爲太史 性質至孝奉母安康郡君 …

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・9 姜詩

9人目は姜詩。水辺にいるのは男性みたいですね。ということは奥さんではなく姜詩本人ですか。いやそれが当然なんでしょうけど。後ろにいるのは母親ですよね。こき使われてる奥さんがいないと不思議な感じがします。 烏帽子をかぶったおじさん・・・ですよね…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・8 老莱子

老親の前で踊る老莱子。玩具や楽器も持たず、普通の服で踊ってる感じですね。これがだんだんヒラヒラの派手な服着て太鼓やラッパ持って、近所の子供も呼ぶようになっていくんですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 老莱子 戯舞学嬌癡 春風動綵衣…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・7 王祥

裸で氷の上に寝そべる王祥。服は木の枝に掛けてあり、割れた氷から鯉が二匹顔を出している、「王祥」の基本形ですね。それにしても鯉が大きいです。一人では持ち帰るの大変そう。 国立国会図書館デジタルコレクションより 王祥継母人間有 王祥天下無至今河水…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・6 曽参

山で薪採りの最中、胸騒ぎがして急いで帰宅した曽参。束ねた薪を脇に置いて、母親の身を案じています。曽参の不在中に客が来た、というだけのことなんですけどね。親子の心が通い合った、というところが重要なポイントです。 国立国会図書館デジタルコレクシ…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・5 閔損

仲違いした両親の仲裁をする閔損。怒る父親、子供二人とともに追い出される継母、継母をかばう閔損。社寺彫刻でもよく見かける代表的な構図ですね、 国立国会図書館デジタルコレクションより 閔損閔氏有賢郎 何曽怨晩娘尊前留母在 三子免風霜 閔損字子騫 早…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・4 孟宗

雪の積もる竹やぶで泣いている孟宗。 タケノコ3本あるようですね。孟宗は泣いていて、まだタケノコが生えてきていることに気づいていない様子です。早く収穫しないとタケノコは立派な竹になってしまいそう。 国立国会図書館デジタルコレクションより 孟宗涙…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・3 丁蘭

三番目は丁蘭。 木像と言われなければ、生きている両親に食事の支度をしているところに見えます。家の中にこんなリアルな等身大の像が並んでたら怖いわ。 国立国会図書館デジタルコレクションより 丁蘭刻木爲父母 形容在日新寄言諸子姪 聞早孝其親 丁蘭父母…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・2 漢文帝

恭しく母親に飲み物を運ぶ漢文帝。 国立国会図書館デジタルコレクションより 漢文帝仁孝臨天下 巍々冠百王 漢廷事賢母 湯藥必親甞 前漢文帝 高祖之子 母薄太后 帝奉養無怠 湯藥必親嘗而後進母 乃爲仁孝之賢君也 ーーー

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)・1 大舜

トップは大舜。挿絵に「帝国図書館蔵」のハンコがドーンと押されています。もうちょっと描き込みの少ない部分に押してほしかったです。わざわざ大舜の顔に押さなくても。 国立国会図書館デジタルコレクションより 象の背中と、上から垂れている木の枝との間…

書籍/二十四孝詩選(禿氏祐祥1946)

明日からは「二十四孝詩選(全国書房) 禿氏祐祥 編 1946年」を見ていきます。国立国会図書館デジタルコレクションの中にあります。 禿氏祐祥(とくし ゆうしょう)さんは仏教学者であり、また龍谷大学の名誉教授でもあった方だそうです。 「龍谷大学蔵 甲本…

書籍/全相二十四孝詩選・24 陸績(完)

ラストは陸績。果実は「三枚」と文章に書かれているので三個転がってるところです。この袁術がいる場所はお屋敷ではなく野外の陣営みたいですね。何も戦の最中に袁術を訪ねていかなくても・・・。 中国国家図書館•中国国家デジタル図書館ウェブサイトより 陸…

書籍/全相二十四孝詩選・23 楊香

残り二人になりました。まずは楊香。 虎と戦う楊香。虎はカメラ目線? 中国国家図書館•中国国家デジタル図書館ウェブサイトより楊香 深山逢白額 努力搏腥風父子倶無恙 脱身饞口中 楊香其父爲虎曳去 香搏虎遂免於害 (饞七咸石???) ーーー

書籍/全相二十四孝詩選・22 田真

22番目は田真・田廣・田慶の三兄弟です。 親の遺した木を伐る相談を兄弟三人でしていたら、一晩で枯れてしまったというお話。伐るのやめたら木は再び元気になりました。 中国国家図書館•中国国家デジタル図書館ウェブサイトより 田真海底紫珊瑚 群芳總不如春…