二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

2024-01-01から1年間の記事一覧

書籍/御伽草子 二十四孝・13 黄香

布団を仰いで涼しくしている黄香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 黄香冬月温衾煖 夏天扇枕涼児童知子職 千古一黄香黄香は。安陵といふ所の人也。九歳のとき母にをくれ。父に能くつかへて。ちからをつくせり。されば夏のきはめてあつき折には。ま…

書籍/御伽草子 二十四孝・12 董永

天女が機織りボランティアに来てくれた董永。 ボランティア期間は終了し、織姫はお連れの二人と天に帰ります。 国立国会図書館デジタルコレクションより 董永 葬父貸方兄 天姫陌上迎織絹償債主 孝感尽知名 董永は。いとけなき時に母にはなれ。家まどしくして…

書籍/御伽草子 二十四孝・11 楊香

父を守るため、虎にも臆せず立ち向かう勇敢な楊香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 楊香深山逢白額 努力搏腥風父子倶無恙 脱身纔甲中楊香はひとりの父をもてり。ある時父とともに山中へゆきしに。たちまちあらき虎にあへり。楊香父のいのちをうし…

書籍/御伽草子 二十四孝・10 唐夫人

彫刻にもよく取り上げられる唐夫人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 唐夫人孝敬崔家婦 乳姑晨盥梳此恩無以報 願得子孫如唐夫人は。しうとめ長孫夫人としたけ。よろつしよくじ(食事)。は(歯)にかなはざれば。つねに乳をふくめ。あるひはあさご…

書籍/御伽草子 二十四孝・9 姜詩

姜詩というより、姜詩の奥さんが主役だと思うの。 国立国会図書館デジタルコレクションより 姜詩の母親。どこそこのおいしい水が飲みたいだの、魚を生で食べたいだの贅沢を言います。姜詩は実の息子なんだから水汲みなんか自分がやればいいのに、厄介事は妻…

書籍/御伽草子 二十四孝・8 老莱子

テキストを入力していて物悲しくなる、老莱子。 国立国会図書館デジタルコレクションより 老莱子戯舞学嬌癡 春風動綵衣 双親開口笑 喜色満庭圍らうらいしは。二人のおやにつかへたる人なり。されば老莱子七十にして。身にいつくしき衣をきて。おさなきものの…

書籍/御伽草子 二十四孝・7 王祥

氷を体温で溶かして鯉を捕まえる漁法(?)を編み出した王祥。 国立国会図書館デジタルコレクションより 王祥 継母人間有 王祥天下無至今河水上 一片臥氷摸王祥は。いとけなくして母をうしなへり。父またつまをもとむ。其名を朱氏といひ侍り。けいぼのくせな…

書籍/御伽草子 二十四孝・6 曽参

母と子の強い絆のお話。曽参。 国立国会図書館デジタルコレクションより 曽参 母指纔方噛 児心痛不禁負薪帰未晩 骨肉至情深曽参ある時山中へ薪を取に行はんべり。母留主にゐたりけるに。したしき友来れり。これをもてなしたくおもへども。そうしんはうちにあ…

書籍/御伽草子 二十四孝・5 閔子騫

前妻の子である閔子騫に冷たく当たり、家を追い出される継母と、その子二人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 閔子騫 閔子有賢郎 何曽怨晩娘尊前留母在 三子免風霜びんしけん。いとけなくして母をうしなへり。父またつまをもとめて。二人の子をもて…

書籍/御伽草子 二十四孝・4 孟宗

孟宗。この絵の季節は初夏ではなく、真冬です。 国立国会図書館デジタルコレクションより 孟宗 泪滴朔風寒 蕭々竹数竿須臾春笋出 天意報平安孟宗は。いとけなくして父にをくれ。ひとりの母をやしなへり。母年老てつねにやみいたはり。食のあぢはひもたびごと…

書籍/御伽草子 二十四孝・3 丁蘭

亡くなった親の像を生きている人のように大切に敬った丁蘭。 国立国会図書館デジタルコレクションより 丁蘭 刻木為父母 形容在日新寄言諸子姪 聞早孝其親丁蘭は。河内の野王と云所の人也。十五のとし母にをくれ。永わかれをかなしみ。母のかたちを木像につく…

書籍/御伽草子 二十四孝・2 漢文帝

大舜の次は漢文帝。 国立国会図書館デジタルコレクションより 漢文帝 仁孝臨天下 巍々冠百王漢廷事賢母 湯薬必親嘗 漢の文帝は。漢の高祖の御子なり。いとけなき御名をば。恒(ごう)とぞ申し侍りき。母 薄(はく)太后に孝行也。よろづの食事をまいらせらる…

書籍/御伽草子 二十四孝・1 大舜

トップは大舜。 大舜 隊々耕春象 紛々耘草禽嗣尭登宝位 孝感動天心大舜はいたつて かうかう(孝行)なる人なり。ちちの名は。こそう(瞽䏂)といへる。一たん(段) かたくなにして。はは(母)は かだましき人なり。おとと(弟)は おほひに おごりて。いた…

書籍/御伽草子 第13冊 (二十四孝)

さて明日からは国立国会図書館デジタルコレクションから「御伽草子 第13冊 (二十四孝)」をご紹介していきます。 岩波文庫「御伽草子」の解説には、”郭居敬の「全相二十四孝詩選」に基づいて和訳を加え、草子化したもの” ”二十四孝の代表作として後代にも大き…

成田市 滑河観音・24 庾 黔婁 (完)

さていよいよラストになります。建物内側、中央には「観世音」の額が掛けられています。 見上げると、観世音の額の奥に、蟇股の左右部分が見えます。 額の左側から蟇股を覗くと、王裒が見えます。 額の右側から見上げると二人の人物が見えます。右に少年、そ…

成田市 滑河観音・23 大舜

滑河観音の本堂。 本堂の階段を上り、まず見上げる一番良い位置には額があります。中央に白っぽい「滑河山」の扁額。その右側には坂東二十八番御詠歌の額。 この滑河山の額の後ろにも二十四孝の彫刻が隠れています。センター位置なのに、すこぶる見にくい場…

成田市 滑河観音・21 孟宗

タケノコ掘りは楽しそう。でも真冬は勘弁。昔は彩色してあったようなので、雪景色だとすぐにわかったことでしょう。

成田市 滑河観音・22 丁蘭

亡き母に似せて作った木像を実の親のように大切に扱った丁蘭。 お供え物を運ぶ丁蘭に比べて母親がかなり小さいので木像なんだろうな、と推測できます。 こちらは「二十四孝諺解」の「丁蘭」。この母親は丁蘭とそれほど大きさが変わらないし、たたずまいが生…

成田市 滑河観音・20 黄香

父親の寝床を仰ぐ黄香。お父さんを連れてくる子のほうが重労働に見えます。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより 野趣豊かな寝床。蚊が心配。

成田市 滑河観音・19 郭巨

私が彫刻を普通に見上げるとこんな感じ。右側に手を合わせる男性、左にはもう一人。 ちょっと離れた高い位置から撮影すると二人の間に・・・。 釜があることがわかるんですよね~。昔の人って今より小柄な人が多かったはずなのに、みんな見えたの?郭巨の釜…

成田市 滑河観音・18 蔡順

盗賊と米俵の組み合わせなら蔡順ですね。「なんで桑の実を二つの籠に分けてるの?」と盗賊に尋ねられて、蔡順は「熟した実は母に、まだ未熟なものは自分用に」と答えました。それを聞いて盗賊は感心して、肉と米俵を蔡順に与えました。 蔡順は左手に何か持っ…

成田市 滑河観音・17 剡子

鹿に変装して目の悪い両親のために鹿のミルクを集めにいった剡子。 よーく見ると鹿皮を身にまとってますね。おそらく下の絵のように、右手には矢を握っていたはずです。 剡子の彫刻には猟犬もしばしば登場します。右端の人はリードを持ってるようです。 針金…

成田市 滑河観音・16 陸績

袁術のおうちにお邪魔して、出されたミカンをこっそり袂に入れて持ち帰ろうとした陸績。別れの挨拶するときにミカンが転がり出て袁術に咎められました。母が好きなのでお土産にしようと思って、と陸績が言い訳をしたら袁術は「親孝行な子だ」と感心します。 …

成田市 滑河観音・15 董永

これも人物全員、顔が消滅。 雲の上の天女たちは二人なのか三人なのかしら。顔が残っていればよくわかるのにね。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより

成田市 滑河観音・14 田真兄弟

現地では理解できなかった彫刻、田真兄弟。両脇の人物は存在がわかりますが、中央の人物は輪郭のみ。 本来はこの絵のように人物が彫られていたと思います。彫刻の方はスペースの関係で幹が大胆に曲がってますね。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデ…

成田市 滑河観音・13 曽参

遠く離れていても、母親と心を通わせる曽参。山中で薪を採っていたとき、胸騒ぎを感じたので「母に何かあったのか」と急いで帰宅しました。 曽参の母親は指を噛んでいるように見えます。 息子よ、早く帰ってきて~のおまじない。指ガブ~。 曽参の背後にはト…

成田市 滑河観音・12 張孝兄弟(たぶん)

さてこちらの彫刻は主役が不在です。盗賊っぽい二人はほぼ無傷なのにね。 手掛かりはここに見える小さな手だけ。 飯高神社の張孝兄弟。 滑河観音の彫刻も、こんな感じで兄弟が向かい合ってるんじゃないでしょうか。 「肉付きの良い僕を食べてください」「い…

成田市 滑河観音・11 王祥

真冬に生魚を食べたいと言い出した母親の為に水辺に来た王祥。水辺は本によって池だったり川だったりします。この彫刻では橋があることで、ここが川や池などの水のある場所だと表現しているんでしょうね。 で、その水は凍っていたので王祥は体温で氷を解かし…

成田市 滑河観音・10 楊香

虎に立ち向かう勇気ある少女、楊香。それにしても顔の部分の破損が多いですね。 楊香は走ってたりバンザイしてたり虎を抱え込んだり、いろんなパターンがありますが。 雨引観音の楊香。滑河観音の楊香も、こんな感じで祈るポーズだったのかな。

成田市 滑河観音・9 姜詩

姑にけなげに尽くす姜詩の奥さん。3人いるうち、右側の嫁と中央の姑の顔がありません。 右側で柄杓を手にしているのが姜詩のお嫁さん。 手の下で二つ丸っこいものが見えてますね。鯉二匹ですね。 二十四孝の欄間や蟇股の彫刻では小柄な人だと下から見上げて…