書籍/二十四孝
ラストは陸績。 陸績ろくせき 字(あざな)公紀陸績(ろくせき)は六歳の時 袁術と云人の所へ行き侍り。袁術陸績(りくせき)がために 菓子に橘を出せり。陸績(りくせき)これを三つ取りて袖に入れて帰るとて 袁術に礼をいたすとて たもとより落とせり。袁…
残り二人になりました。23番目は剡子。 剡子せんし剡子は親のために命を捨てんとしけるほどの孝行なる人なり。そのゆへは父母老ひて ともに両眼をわづらひしほどに 目の薬なるとて 鹿の乳をのぞめり。剡子もとより孝なるものなれば 親の望みを叶へたく思ひ …
22番目も兄弟。こちらは田真・田廣・田慶の三人兄弟。 田真 田廣 田慶でんしん でんくはう でんけいこの三人は兄弟なり 親に後れて後 親の財宝を三つに分けてとれるが 庭前に紫荊樹とて 枝葉さかへ 花も咲き乱れたる木一本あり。これをも三つに分けて取るべ…
残り少なくなってきました。21番目は張孝兄弟。 張孝張礼ちやうかう ちやうれい張孝張礼は兄弟なり。世間飢饉の時に八十余りの母を養へり。木の実を拾ひに行きたれば 一人の たへ疲れたる者来て 張礼を殺して 食らはんと云へり。張礼 云ふ様は 「我 老いたる…
20番は丁蘭。綺麗な響きの名前だけど男性でしたー。 丁蘭ていらん丁蘭は かだい(河内)の やわう(野王)といふ所の人なり。十五の年 母に後れ 長き別れを悲しみ 母の形を木像に作り 生ける人に仕へぬるごとくせり。丁蘭が妻 有る夜のことなるに 火をもって…
19番!嵐の中、お墓に向かう王裒さん! 王裒わうしやう(おうしょう・・・読みが王祥と一緒になってますね。一般的には「おうほう」です)「わうしやう」は営陰といふ所の人なり。父の王義 不慮の事によりて 帝王より法度に行はれ 死にけるを恨みて 一期の間…
18番目は黄山谷。 山谷さんこく山谷は宋の代の人なり。今に至りて詩人の師といはるる人なり。あまた 使ひ人も多く また妻もありといへども 自ら 母の大小便の器物を取り扱ひて けがれたる時は手づから 是を洗ひて 母に与へ 朝夕よく仕へて 怠ることなし され…
17人目は庾黔婁でございます。 庾黔婁ゆきんろう (「ゆさんろう」と書かれているように見えますが気にせず「ゆきんろう」と読んでいきます。だってほかの本はみんな「ゆきんろう」だもん)庾黔婁は南斉の時の人なり。「せんりやう」といふ所の官人なり。す…
16番目は蔡順。 蔡順さいじゅん蔡順は汝南といふ所の人なり。王莽(わうまう)といへる人の時分の末に 天下大きに乱れ また飢饉して食事に乏しければ 母のために 桑の実を拾いけるが 熟したると 熟せざるとを 分けたり。この時 世の乱れにより 人を殺し 剥ぎ…
15人目の孝行者は王祥さん。 王祥わうしやう王祥は いとけなくして母を失へり。 父また妻を求め その名を 朱みん といひ侍り。継母の癖なれば 親子の仲をあしく言ひなして 憎まし侍れ共 恨みとせずして継母にも よく孝行をいたしける。かやうの人なるほどに …
14番~。曾参~。 曾参そうしん曾参ある時山中へ薪をとりにゆき侍り。母留守にゐたりけるに い(し)たしき友きたれり。これにもてなしたく 思へども 曾参はうちにあらず。もとより家貧しければ かなはず。曾参がかへれかしとて 自ら指を噛めり。曾参山に薪…
13番目は朱壽昌。 朱壽昌しゅじゅしゃう朱壽昌は七歳の時 父その母を去りけり さればその母をよくしらざりければ この事を嘆き侍れども 遂に 会はざる事 五十年に及べり ある時 壽昌 官人なりといへども 官禄をも捨て 妻子をも捨て しん(秦)と云ふところへ…
半分来ました。12番目は郭巨。唐夫人・楊香・孟宗・郭巨と、人気の高いキャラが続いています。 郭巨くわつきょ郭巨はかだい(河内)と云所の人なり。家貧しうして 母を養へり。妻一子を生んで 三歳になれる。郭巨が老母かの孫をいつくしみ 我が食事をわけあ…
11番目は孟宗。 孟宗まうそう 字(あざな)恭武(きゃうぶ) 或ひは子恭(しけう)孟宗はいとけなくして 父に後れ ひとりの母をやしなへり。母とし老いて 常にやみいたはり 食の味はひも たびことかはりければ よしなきものを望めり。冬の事なるに 竹子をほ…
10番目は楊香。 楊香やうきゃう楊香は一人の父を持てり あるとき父ともに山中へ行きしに たちまち荒き虎に会へり。楊香父の命を失はん事を恐れて 虎を追い去らんとし侍りけれ共 かなはざるほどに 天の御あはれみを頼み 乞ひ願はくは 我いのちを虎に与へ 父を…
9人目は唐夫人。 唐夫人たうふじん唐夫人は姑 長孫夫人としたけて よろづ食事 歯にかなはざれば 常に乳をすすめ あるひは 朝毎に 髪を削り 其ほかよく仕へて 数年養ひ侍り。有時長孫夫人わづらひつきて 此の度は死せんと思ひ 一門一家を集めていへる事は 我…
8番手は董永。 董永どうえい(「とうえい」ではなく「どうえい」と書いてある)董永はいとけなき時に 母に離れ 家 貧にして常に人に雇はれ 農作をし 賃を取りて日を送りたり 父老ひて足も立たざれば 小車を作り 父を乗せて田のあぜにゐて やしなひたり。有時…
7人目の孝行者は呉猛。 呉猛ごまう呉猛は八歳にして孝ある人なり。家まどしくして よろづ心に 足らざりけり。されば夏になりけれども帷帳もなし。呉猛自ら思へり。我衣を脱ぎて親に着せ 我が身はあらはにして 蚊にくはせたらば 蚊も我身を食らはば 親をたす…
姜詩きやうし姜詩は母に孝行なる人なり。母つねに江の水を飲みたく思ひ また 生魚の膾を欲しくおもへり すなはち姜詩妻をして 六七里の道をへだてたる江の水を汲ましめ また魚の膾をよくしたためて与へ夫婦ともに常によくつかへり。 ある時姜詩が家のかたは…
5番目は閔子騫。 閔子騫びんしけん閔子騫 いとけなくして母をうしなへり 父また妻をもとめて二人の子をもてり かの妻我が子をふかく愛して 継子をにくみ 寒き冬も葦の穂を取りてきるものに入れて着せ侍る間 身も冷えて たへかねたるを見て父 後の妻を去らん…
4番目は黄香。 黄香わうきやう(おうきょう)黄香はあんりゃうといふ所の人なり。9歳の時母に後れ父によく仕へてちからをつくせり。されば夏のきはめてあつきおりには まくらや床をあふいで すすしめて 又冬のいたってさむき時には ふすまのつめたきことを…
三番目は老莱子。 老莱子ろうらいし老莱子は二人の親に仕えたる人なり。されば老莱子七十にして身にいつくしき衣を着て幼き者の形になり 舞ひたわふれ 又親のために給仕をするとて わざと けつまつきて転び いとけなき者の泣くやうに泣きけり。 この心は七十…
二番目は漢文帝。 漢文帝かんのぶんてい漢文帝は漢の高祖の御子なり。いとけなき御名をば ごう(恒)とぞ申し侍りき。母薄(はく)太后に孝行なり。万の食事を参らせらるる時はまづ自ら聞し召しこころみ給へり。兄弟もあまたましましけれども此の帝ほど仁義…
古書「二十四孝」、トップバッターは大舜。 大舜たいしゅん大舜はいたって孝行なる人なり 父の名はこそう(瞽叟)といへる。一段かたくなにして母はかたましき人なり。おととはおほひにおごりていたづら人なり。しかれ共大舜はひたすら孝行をいたせり。有時…
コロナと猛暑のため、なかなか彫刻を見に行けないので昔買った古本の画像を載せていきます。「二十四孝」というシンプルなタイトルのみで、奥付もなく出版社や著者、発行年月日なども不明。