成田市 滑河観音
さていよいよラストになります。建物内側、中央には「観世音」の額が掛けられています。 見上げると、観世音の額の奥に、蟇股の左右部分が見えます。 額の左側から蟇股を覗くと、王裒が見えます。 額の右側から見上げると二人の人物が見えます。右に少年、そ…
滑河観音の本堂。 本堂の階段を上り、まず見上げる一番良い位置には額があります。中央に白っぽい「滑河山」の扁額。その右側には坂東二十八番御詠歌の額。 この滑河山の額の後ろにも二十四孝の彫刻が隠れています。センター位置なのに、すこぶる見にくい場…
タケノコ掘りは楽しそう。でも真冬は勘弁。昔は彩色してあったようなので、雪景色だとすぐにわかったことでしょう。
亡き母に似せて作った木像を実の親のように大切に扱った丁蘭。 お供え物を運ぶ丁蘭に比べて母親がかなり小さいので木像なんだろうな、と推測できます。 こちらは「二十四孝諺解」の「丁蘭」。この母親は丁蘭とそれほど大きさが変わらないし、たたずまいが生…
父親の寝床を仰ぐ黄香。お父さんを連れてくる子のほうが重労働に見えます。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより 野趣豊かな寝床。蚊が心配。
私が彫刻を普通に見上げるとこんな感じ。右側に手を合わせる男性、左にはもう一人。 ちょっと離れた高い位置から撮影すると二人の間に・・・。 釜があることがわかるんですよね~。昔の人って今より小柄な人が多かったはずなのに、みんな見えたの?郭巨の釜…
盗賊と米俵の組み合わせなら蔡順ですね。「なんで桑の実を二つの籠に分けてるの?」と盗賊に尋ねられて、蔡順は「熟した実は母に、まだ未熟なものは自分用に」と答えました。それを聞いて盗賊は感心して、肉と米俵を蔡順に与えました。 蔡順は左手に何か持っ…
鹿に変装して目の悪い両親のために鹿のミルクを集めにいった剡子。 よーく見ると鹿皮を身にまとってますね。おそらく下の絵のように、右手には矢を握っていたはずです。 剡子の彫刻には猟犬もしばしば登場します。右端の人はリードを持ってるようです。 針金…
袁術のおうちにお邪魔して、出されたミカンをこっそり袂に入れて持ち帰ろうとした陸績。別れの挨拶するときにミカンが転がり出て袁術に咎められました。母が好きなのでお土産にしようと思って、と陸績が言い訳をしたら袁術は「親孝行な子だ」と感心します。 …
これも人物全員、顔が消滅。 雲の上の天女たちは二人なのか三人なのかしら。顔が残っていればよくわかるのにね。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより
現地では理解できなかった彫刻、田真兄弟。両脇の人物は存在がわかりますが、中央の人物は輪郭のみ。 本来はこの絵のように人物が彫られていたと思います。彫刻の方はスペースの関係で幹が大胆に曲がってますね。 二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデ…
遠く離れていても、母親と心を通わせる曽参。山中で薪を採っていたとき、胸騒ぎを感じたので「母に何かあったのか」と急いで帰宅しました。 曽参の母親は指を噛んでいるように見えます。 息子よ、早く帰ってきて~のおまじない。指ガブ~。 曽参の背後にはト…
さてこちらの彫刻は主役が不在です。盗賊っぽい二人はほぼ無傷なのにね。 手掛かりはここに見える小さな手だけ。 飯高神社の張孝兄弟。 滑河観音の彫刻も、こんな感じで兄弟が向かい合ってるんじゃないでしょうか。 「肉付きの良い僕を食べてください」「い…
真冬に生魚を食べたいと言い出した母親の為に水辺に来た王祥。水辺は本によって池だったり川だったりします。この彫刻では橋があることで、ここが川や池などの水のある場所だと表現しているんでしょうね。 で、その水は凍っていたので王祥は体温で氷を解かし…
虎に立ち向かう勇気ある少女、楊香。それにしても顔の部分の破損が多いですね。 楊香は走ってたりバンザイしてたり虎を抱え込んだり、いろんなパターンがありますが。 雨引観音の楊香。滑河観音の楊香も、こんな感じで祈るポーズだったのかな。
姑にけなげに尽くす姜詩の奥さん。3人いるうち、右側の嫁と中央の姑の顔がありません。 右側で柄杓を手にしているのが姜詩のお嫁さん。 手の下で二つ丸っこいものが見えてますね。鯉二匹ですね。 二十四孝の欄間や蟇股の彫刻では小柄な人だと下から見上げて…
上半身裸になり、父親が蚊に悩まされずに安眠出来るよう、体を張る呉猛。 この彫刻だけ見ても、どんな親孝行なのかさっぱりわからないですよね。お父さんのそばで子どもが寝てる、としか見えません。 呉猛の腕が取れてしまっていますが、おそらく下の絵のよ…
皇帝という立派な立場でありながら、母親の世話は人任せにしないで自ら行う漢文帝。 破損していますが漢文帝の後ろの童子?は真ん丸なものを運んでいるように見えますね。なんでしょね。母親の薄太后は下の千手院観音堂の彫刻同様、右手に軍配みたいな扇を持…
生き別れの母にようやく会うことが出来た朱寿昌。 子どもの肩を借りて、杖をついた老母が家から出てきました。朱寿昌は旅の荷物を脇に置いて、恭しく姿勢を低くしています。 子どもの顔は破損していますね。 「二十四孝諺解」13朱寿昌 ARC古典籍ポータルデー…
唐夫人の右側は黄山谷。 病床の親御さんは脱走してしまった様子。右側の枕に頭を乗せて臥せっていたものと思われます。 背景の板に残る、黄山谷の肩から上のシルエット。このうつむき加減は黄山谷ね。 ↑ この黄山谷の持っている尿器は注ぎ口のついた小さな器…
建物の外周、この位置にある彫刻は唐夫人。参拝客がみんな見上げる良い位置ですよね。 歯がなくなって物を噛めなくなった姑に乳を飲ませる唐夫人。 なぜ女同士とはいえ、セクハラじみた「唐夫人」が二十四孝彫刻の中で人気のある題材だったのかしら。
年老いた両親に老いを自覚させまいと、子どもの振りをして派手な格好で踊る老莱子、70歳。意味わかりませんよね。 両親は老莱子の気持ちを汲んで、喜んでいるふりしてるに違いありません。誰が見たってわかるでしょ。右端に本当の子どもがいるから、年齢差は…
中央の「観世音」の額の奥、ここの蟇股にも彫刻があります。 真正面からだと蟇股の彫刻は全然見えないですね。 斜め左方向から覗くと、見えるのは王裒ですね。お墓に何か語りかけている風情。頭上には怖い顔の雷神が。 王裒の母親は雷が嫌い。そんな母親の死…
建物内側、左側から見ていきます。閔子騫ですね。 閔子騫の王道の構図になります。右側に赤ちゃんと幼児を連れて追い出される継母、左側には怒っている父親、間に入って夫婦仲を修復しようとする健気な閔子騫が中心で正座しています。 主役なのに目立たない…
成田市の坂東28番札所、滑河観音(なめがわかんのん)。平地にある社寺はそれだけで有難いと思う今日この頃。 成田線滑川駅からてくてく歩いていきました。15~20分くらい。 こちらの本堂の外陣と内陣の蟇股に二十四孝彫刻があると・・・龍元洞さんのブログ…