書籍/二十四孝 (中野市右衛門1632)
陸績。床に2~3個橘の実が・・・転がってませんね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 陸績孝悌皆天性 人間六歳児 袖中懐緑橘 遺母報含飴 陸績。六歳の時。袁術と。いふ人の所へ行き侍り。袁術陸績がために。菓子に橘を出せり。陸績これを三つ取りて…
かいがいしく母親の世話をする黄山谷。 国立国会図書館デジタルコレクションより 山谷貴顕聞天下 平生孝事親 汲泉涓溺器 婢妾豈無人 山谷は。宋の世の詩人なり。今に至りて。詩人の。祖師といはるる人なり。あまた使ふ人も多く。また妻もありといへども。自…
木にも心があるのを知り、伐採するのをやめた田真兄弟。 国立国会図書館デジタルコレクションより 田真・田廣・田慶海底紫珊瑚 群芳總不如春風花満樹 兄弟復同居 田真。田廣。田慶。この三人は兄弟なり。親に後れて後は。親の財宝をも。三つに分けてとれるが…
親思い、兄弟思いの張孝張礼。 国立国会図書館デジタルコレクションより 張孝張礼偶値緑林児 代烹云痩肥人皆有兄弟 張氏古今稀 張孝。張礼は。兄弟なり。世間飢饉の時に。八十余りの母を養へり。木の実を拾いに行きたれば。一人たへ疲れたる者来て。張礼を殺…
呉猛。子どもの自己犠牲の上に成り立つ親孝行は痛ましいものです。 国立国会図書館デジタルコレクションより 呉猛夏夜無帷帳 蚊多不敢揮恣渠膏血飽 免使入親闈 呉猛は。八歳にして。孝ある人なり。家まどしくして。よろづ心に足らざりけり。されば。夏になり…
ゆ黔婁。 国立国会図書館デジタルコレクションより ゆ黔婁到縣未旬日 椿庭構疾深願将身代死 北望起憂心 庾黔婁は南斉の時の人なり。「せんりよう」といふ所の。官人になりて。すなはち「せんりやう県」へ至りけるが。いまだ十日にもならざるに。たちまちに。…
蔡順。 国立国会図書館デジタルコレクションより 蔡順黒椹奉親闈 啼飢涙満衣赤眉知孝順 牛米贈君帰 蔡順は。汝南といふ所の人なり。王莽(わうまう)といへる人の時分の末に。天 大に乱れ。また飢饉して。食事に乏しければ。母のために。桑の実を拾ひけるが…
鹿の格好をして山にいたら、狩人に殺されそうになった剡子。 国立国会図書館デジタルコレクションより 剡子老親思鹿乳 身掛褐毛衣若不高聲語 山中帯箭帰 剡子は。親のために命を捨てんとしけるほどの。孝行なる人なり。そのゆへは。父母老ひてともに両眼をわ…
幼いころ生き別れになった母親に会いに行った朱壽昌。 国立国会図書館デジタルコレクションより 朱壽昌七歳生離母 参商五十年一朝相見面 喜気動皇天 朱壽昌は。七歳の時。父。その母を去りけり。されば。その母をよくしらざりければ。この事を嘆き侍れども。…
郭巨。釜が巨大な栗に見えます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 郭巨貧乏思供給 埋児願母存黄金天所賜 光彩照寒門 郭巨は。家貧しくして。母を養へり。三歳の子を持てり。郭巨が母。かの孫をいつくしみ。我が食事をわけてあたへ侍り。あるとき郭巨…
母の墓前で亡母に話しかける王裒。 国立国会図書館デジタルコレクションより 王裒慈母怕聞雷 冰魂宿夜台阿香時一震 到墓遶千廻 王裒は。営陰といふ所の人なり。父の。王義。不慮の事によりて。帝王より法度に行はれて。死にけるを恨みて。一期の間その方へは…
黄香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 黄香冬月温衾煖 夏天扇枕涼児童知子職 千古一黄香 黄香は。あんりやうといふ所の人なり。九歳の時。母に後れ。父によく仕へて。ちからをつくせり。されば。夏のきはめてあつきおりには。まくらや床をあふひで…
董永。天に帰る織姫を見送るシーンですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 董永葬父貸方兄 天姫泊上迎織絹償債主 孝感盡知名 董永は。いとけなき時に。母に離れ。家貧にして常に人に雇はれて。耕作をし。賃を取りて。日を送りたり。父老いて。足も…
父をかばい、トラに立ち向かう勇敢な楊香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 楊香深山逢白額 努力搏腥風父子倶無恙 脱身纔甲中 楊香は。一人の父を持てり。あるとき父と山中へ行きしに。たちまち荒き虎に会へり。楊香は。父の命を失はん事を。恐れて…
唐夫人。 国立国会図書館デジタルコレクションより 唐夫人孝敬崔家婦 乳姑晨盥梳此恩無以報 願得子孫如 唐夫人は。姑。長孫夫人。としたけて。よろづ食事。歯にかなはざれば。常に乳をすすめ。あるひは朝毎に。髪をけづり。其ほかよく仕へて。数年養ひ侍り。…
姜詩。姑のために泉で水をくむ奥さん。水面から魚が二匹顔を出してます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 姜詩舎側甘泉出 一朝双鯉魚子能知事母 婦更孝於姑 姜詩は母に孝行なる人なり。母つねに。江の水を。飲みたく思ひ又生魚の膾を欲しく思へり。…
派手な格好で踊る老莱子。70歳で派手に踊ったら、息切れて翌日寝込むんじゃない?で、親に看病してもらうのね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 老莱子戯舞学嬌痴 春風動綵衣 双親開口笑 喜色満庭圍 老莱子は。二人の親に仕えたる人なり。されば老…
氷上の王祥。 国立国会図書館デジタルコレクションより 王祥継母人間有 王祥天下無至今河水上 一片臥冰摸 王祥はいとけなくして。母を失へり。父また妻を求む。その名を。朱子といひ侍り。継母の癖なれば。父子の仲をあしく言ひなして。憎ませ侍れ共。恨みと…
曽参。薪取りの途中、胸騒ぎを感じて飛んで帰りました。母と息子の絆は深いものでした。来客のもてなしには間に合わなかったようですが。 国立国会図書館デジタルコレクションより 曽参母指纔方噛 児心痛不禁負薪帰未晩 骨肉至情深 曾参。ある時山中へ。薪を…
閔子騫。意地悪な継母にも優しく接する、仏のような閔子騫。 国立国会図書館デジタルコレクションより 閔子騫閔氏有賢郎 何曽怨晩娘尊前留母在 三子免風霜 閔子騫いとけなくして。母をうしなへり。父。また妻をもとめて。二人の子をもてり。かの妻。我が子を…
孟宗。右上にある家の中では母がタケノコを待っているものと思われます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 孟宗涙滴朔風寒 蕭蕭竹數竿須臾春笋出 天意報平安 孟宗は。いとけなくして。父に後れ。ひとりの母をやしなへり。母とし老いて。常にやみいた…
他界した母親の木像を作って、生きている人に対するように世話をした丁蘭。奥様は嫌々ながら、という表情。 国立国会図書館デジタルコレクションより 丁蘭刻木為父母 形容在日新寄言諸子姪 聞早孝其親 丁蘭は。かだい(河内)の。やわう(野王)といふ所の人…
漢文帝。母親の薄太后に、帝自ら味見を済ませた食事を運んでます。 国立国会図書館デジタルコレクションより 漢文帝仁孝臨天下 巍々冠百王漢廷事賢母 湯薬必親嘗 漢文帝は。漢の高祖の。御子なり。いとけなき御名をば。ごう(恒)とぞ申はんべりき。御母。薄…
一番初めは大舜。白象と黒象、鍬を担ぐ大舜。鳥は飛んでいるのと、枝でくつろいでいるのがいますね。 国立国会図書館デジタルコレクションより 大舜隊々耕春象 紛々耘草禽嗣尭登宝位 孝感動天心 大舜はいたつて孝行なる人なり。父の名は。こそうといへる。一…
明日から、「二十四孝」 出版社 中野市右衛門 (寛永9、1632)を紹介していきます。かなり古い本ですね。 国立国会図書館デジタルコレクションより