2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ラストは陸績。 陸績ろくせき 字(あざな)公紀陸績(ろくせき)は六歳の時 袁術と云人の所へ行き侍り。袁術陸績(りくせき)がために 菓子に橘を出せり。陸績(りくせき)これを三つ取りて袖に入れて帰るとて 袁術に礼をいたすとて たもとより落とせり。袁…
残り二人になりました。23番目は剡子。 剡子せんし剡子は親のために命を捨てんとしけるほどの孝行なる人なり。そのゆへは父母老ひて ともに両眼をわづらひしほどに 目の薬なるとて 鹿の乳をのぞめり。剡子もとより孝なるものなれば 親の望みを叶へたく思ひ …
22番目も兄弟。こちらは田真・田廣・田慶の三人兄弟。 田真 田廣 田慶でんしん でんくはう でんけいこの三人は兄弟なり 親に後れて後 親の財宝を三つに分けてとれるが 庭前に紫荊樹とて 枝葉さかへ 花も咲き乱れたる木一本あり。これをも三つに分けて取るべ…
残り少なくなってきました。21番目は張孝兄弟。 張孝張礼ちやうかう ちやうれい張孝張礼は兄弟なり。世間飢饉の時に八十余りの母を養へり。木の実を拾ひに行きたれば 一人の たへ疲れたる者来て 張礼を殺して 食らはんと云へり。張礼 云ふ様は 「我 老いたる…
20番は丁蘭。綺麗な響きの名前だけど男性でしたー。 丁蘭ていらん丁蘭は かだい(河内)の やわう(野王)といふ所の人なり。十五の年 母に後れ 長き別れを悲しみ 母の形を木像に作り 生ける人に仕へぬるごとくせり。丁蘭が妻 有る夜のことなるに 火をもって…
19番!嵐の中、お墓に向かう王裒さん! 王裒わうしやう(おうしょう・・・読みが王祥と一緒になってますね。一般的には「おうほう」です)「わうしやう」は営陰といふ所の人なり。父の王義 不慮の事によりて 帝王より法度に行はれ 死にけるを恨みて 一期の間…
18番目は黄山谷。 山谷さんこく山谷は宋の代の人なり。今に至りて詩人の師といはるる人なり。あまた 使ひ人も多く また妻もありといへども 自ら 母の大小便の器物を取り扱ひて けがれたる時は手づから 是を洗ひて 母に与へ 朝夕よく仕へて 怠ることなし され…
17人目は庾黔婁でございます。 庾黔婁ゆきんろう (「ゆさんろう」と書かれているように見えますが気にせず「ゆきんろう」と読んでいきます。だってほかの本はみんな「ゆきんろう」だもん)庾黔婁は南斉の時の人なり。「せんりやう」といふ所の官人なり。す…
16番目は蔡順。 蔡順さいじゅん蔡順は汝南といふ所の人なり。王莽(わうまう)といへる人の時分の末に 天下大きに乱れ また飢饉して食事に乏しければ 母のために 桑の実を拾いけるが 熟したると 熟せざるとを 分けたり。この時 世の乱れにより 人を殺し 剥ぎ…
15人目の孝行者は王祥さん。 王祥わうしやう王祥は いとけなくして母を失へり。 父また妻を求め その名を 朱みん といひ侍り。継母の癖なれば 親子の仲をあしく言ひなして 憎まし侍れ共 恨みとせずして継母にも よく孝行をいたしける。かやうの人なるほどに …
14番~。曾参~。 曾参そうしん曾参ある時山中へ薪をとりにゆき侍り。母留守にゐたりけるに い(し)たしき友きたれり。これにもてなしたく 思へども 曾参はうちにあらず。もとより家貧しければ かなはず。曾参がかへれかしとて 自ら指を噛めり。曾参山に薪…