虎に向き合う二人の人間。二十四孝の楊香と似てますね。「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の和藤内だと思います。
二十四孝のメンバーではないのでカテゴリーは「番外編」にしました。

この彫刻が楊香ではなく和藤内だと思われるところは・・・。
まず、場面中央の人が勇ましそうな大人の男性であること(楊香は性別不定ですが年齢はまだ14~15歳のようです)。

そして刀を差していること。左手でしっかり握ってますね。楊香は刀を差してません。
一緒にいる人物は「楊香」なら父親ですが、和藤内の隣にいる人は髪の長い女性です。母親ですね。虎を見ても楊香の父親のように逃げ腰ではありません。

和藤内の虎退治、「千里が竹」という場面。手ごわい虎に苦戦する息子の和藤内に、母親は肌身離さず持っていた伊勢神宮のお守りを渡します。

すると和藤内のかざす護符の神威により虎はたちまち勢いを失くしました。すかさず和藤内は虎を捕まえました。

↓「太神宮」の分厚いお札(ふだ)を掲げる母親(右端)。「ははおや太神宮のおはらひ(御祓・・・おふだ)をささげて和藤内にちからを付る」
鳥居清満 画『こく性や合戦 3巻』,[安永頃] 刊. 国立国会図書館デジタルコレクション より
このあと、和藤内は護符のパワーで虎を手なずけ敵を倒していきます。
お母さん、虎に乗って次の目的地へ移動します。

「和藤内 母を虎に乗せ獅子が城へ急ぐ」。
「国姓爺合戦 /近松門左衛門」

舞台映えする派手なシーンの連続。女性が強いです。
