二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

絵巻/加言二十四孝・24 陸績「お母さんは橘屋推し」(完)

今日で最後になります。ミカンの実を失敬した陸績くんが大トリ。

『加言二十四孝』下巻 [写]国立国会図書館デジタルコレクションより

陸績
陸績六歳の時ある人の許へ行けるに馳走に
橘を出されければ陸績三つとりて袖に入たり
帰るとき主人に礼をなすとて袖より其橘を落
したり 主人見て 扨小児には似げなき事をし
給ひしとありければ陸績あまり見事なるたち
ばなゆゑ持帰りて母にあたへんと思ふ故にかく
袖にいれたりといふ 主人其孝を感じて小児に
は誠にめづらしき志也と云しと也 主人云ふ
家づとになし給はばこれに銀杏の実ありこれを
も持給へといひければ陸績いやいや銀杏は
申うけまじ橘ばかりにてよろしき也
母は羽左衛門贔屓にて候といひけりとなむ

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岡持先生の加言。ミカンを母親へのお土産にする、という陸績の言葉に感心した主人がギンナンも持ってく?と陸績に聞きました。陸績は「ギンナンはいらないです。お母さんは市村羽左衛門(屋号が橘屋)のファンなので橘だけいただきます!」と言ったとさ~。多分お母さんはギンナンも欲しかったと思うわ。

転がったミカンはどこ?

ーーー 絵巻/加言二十四孝 終 ーーー