姜詩きやうし
姜詩は母に孝行なる人なり。母つねに江の水を飲みたく思ひ また 生魚の膾を欲しくおもへり すなはち姜詩妻をして 六七里の道をへだてたる江の水を汲ましめ また魚の膾をよくしたためて与へ夫婦ともに常によくつかへり。 ある時姜詩が家のかたはらにたちまちに江のごとくして水わき出 朝毎に中に鯉あり これすなはち取りて母に与へ侍り。 かやうの不思議なることのありけるはひとへに姜詩夫婦の孝行を感じて天道よりあたへたまふなるべし。
水を汲むのも魚を捕まえるのも奥さんが一人でこなしています。一方姜詩は母親と談笑してるのでしょうか。親孝行のために奥さんを酷使する、サイテーな夫と批判されても仕方ないでしょうね。