姜詩。姑のために泉で水をくむ奥さん。水面から魚が二匹顔を出してます。
国立国会図書館デジタルコレクションより
姜詩
舎側甘泉出 一朝双鯉魚
子能知事母 婦更孝於姑
姜詩は母に孝行なる人なり。母つねに。江の水を。飲みたく思ひ又生魚の膾を欲しく思へり。すなはち姜詩妻をして。六七里の道を。へだてたる江の水を。汲ましめ又魚の膾を。よくしたためて。与へ婦夫ともに。常によくつかへり。ある時姜詩が家のかたはらに。たちまちに。江のごとくして。水はきいで。朝ごとに。水中に鯉あり。すなはちこれを取りて。母に与へ侍り。かやうの不思議なることのありけるは。ひとへに姜詩婦夫の。孝行を感じて。天道より。あたへたまふなるべし。
ーーー
匝瑳市飯高神社の「姜詩」。左から侍女、姑、鯉二匹、そして姜詩の奥さん。
全体的に緑っぽくくすんでいるのに鯉二匹の白さが目立っているのは、鯉だけ磨いたのかしら。鯉を絵のように右端ではなく中心に配置したので、彫刻としてまとまりがいいですね。