現地では理解できなかった彫刻、田真兄弟。両脇の人物は存在がわかりますが、中央の人物は輪郭のみ。
本来はこの絵のように人物が彫られていたと思います。彫刻の方はスペースの関係で幹が大胆に曲がってますね。
二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより
現地では理解できなかった彫刻、田真兄弟。両脇の人物は存在がわかりますが、中央の人物は輪郭のみ。
本来はこの絵のように人物が彫られていたと思います。彫刻の方はスペースの関係で幹が大胆に曲がってますね。
二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより
遠く離れていても、母親と心を通わせる曽参。山中で薪を採っていたとき、胸騒ぎを感じたので「母に何かあったのか」と急いで帰宅しました。
曽参の母親は指を噛んでいるように見えます。
息子よ、早く帰ってきて~のおまじない。指ガブ~。
曽参の背後にはトレードマークの薪。
下の絵のように、二つの束を結んで一つにしているようです。
二十四孝諺解(1686) ARC古典籍ポータルデータベースより
さてこちらの彫刻は主役が不在です。盗賊っぽい二人はほぼ無傷なのにね。
手掛かりはここに見える小さな手だけ。
飯高神社の張孝兄弟。
滑河観音の彫刻も、こんな感じで兄弟が向かい合ってるんじゃないでしょうか。
「肉付きの良い僕を食べてください」「いいえ、僕を」と譲り合う兄弟。「じゃあ二人とも」とは言わなかった根は優しい悪者。
真冬に生魚を食べたいと言い出した母親の為に水辺に来た王祥。水辺は本によって池だったり川だったりします。この彫刻では橋があることで、ここが川や池などの水のある場所だと表現しているんでしょうね。
で、その水は凍っていたので王祥は体温で氷を解かして魚を捕まえようとします。この行動を良い子が真似したら大問題になりそうです。
二十四孝のお話は「真似しちゃだめ」系のお話が多いです。
姑にけなげに尽くす姜詩の奥さん。3人いるうち、右側の嫁と中央の姑の顔がありません。
右側で柄杓を手にしているのが姜詩のお嫁さん。
手の下で二つ丸っこいものが見えてますね。鯉二匹ですね。
二十四孝の欄間や蟇股の彫刻では小柄な人だと下から見上げても見えないアイテムがいくつかありますが、姜詩の鯉もその一つですね。あとは郭巨の釜、陸績のミカンなど床や地面に転がっているものは背が高くないと見にくいです。
「二十四孝諺解」より 国文学研究資料館所蔵 クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 ライセンス CC BY-SA
滑河観音の彫刻も左手には水を汲む桶を持ってたものと思われます。