王裒(おうほう)
王ほう 聞雷泣墓「雷(らい)を聞いて 墓に泣く」 王ほうは営陰という所の人也 父の王義不慮のことによりて帝王より法度におこなはれ死にけるを恨みて 一期の間その方へは向かひて座せざりし也 父の墓所にゐて膝まづき 礼拝して柏の木にとりつきて 泣き悲し…
王ほう 聞雷泣墓 「雷(らい)を聞きて 墓を泣く」王ほうは母に仕へて孝行なり 常にその心に背かず しかるにその母 雷を恐るること はなはだし されば 雷のもよふしあれば たとへ (えんほ) にありても かけつけて 母の心を慰めけるが 母死してのちも 雷の…
――― 〈『漢土二十四孝伝』より〉 王ほうは晋の世、營陵(えいりょう)の人なり。父は王儀とて文帝に仕へしに罪なくして命を取られ王ほう、これを恨み一期の間、都の方へ向ひて坐せず。常に父の墓に詣でて悲しみ嘆く涙に傍らの草も枯れたりとぞ。 母親この世…