二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

漢土二十四孝伝・13 王ほう(おうほう)


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〈『漢土二十四孝伝』より〉

王ほうは晋の世、營陵(えいりょう)の人なり。父は王儀とて文帝に仕へしに罪なくして命を取られ王ほう、これを恨み一期の間、都の方へ向ひて坐せず。常に父の墓に詣でて悲しみ嘆く涙に傍らの草も枯れたりとぞ。
母親この世にありしとき常に雷を恐るる人なりければ身罷りてもの鳴るときは墓所に至り、いまだ世にあるときの如く物言ひけるやうは母君必ずしも雷を恐れたまふことなかれ。王ほう、ここに付き添ひ参らするとて涙を流し膝まづき雷晴るるまで墓の傍らを離るることなかりしとかや。
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【あらすじ】
王ほうの母親は雷を怖がる人でした。親孝行な王ほうは、母の死後、雷が鳴るとお墓へ行き、「お母さん怖がらなくていいよ、僕がいるからね」と励ますのでした。

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なぜかひとつ前の「仲由」とこの「王ほう」は他の孝子の皆さんのように見開きではなく1ページしか割り当てられていません。不公平な気がします。

6の蔡順さんも雷が鳴ると母親のお墓へ飛んでいったと書かれていますが、そういう親孝行が流行ってたんでしょうか。

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捜神記(平凡社ライブラリー) No.288「涙で枯れた木」

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モチーフは
1.王ほう
2.母の墓
3.雷
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