二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝諺解・19 王裒

深夜、お墓のまわりをうろつく怪しい人物は王裒。

ARC古典籍ポータルデータベースより

王裒

晋の國。えいゐん(営陰)といふ所の人也 賢人にて官にも位にも。
つかずまづしくしてもさらにたくはゆる事もなく。
かうさくをし世をわたる也 有時父の王義。罪なくして帝文帝に。
ころされしかば是をうらみて。かりにも文帝の。おはします方へ。
むく事なし。其方をあとにして居ける也。我みかどに。つかへぬといふ
心也。父の墓にゆきて柏の木に。取つき。なきけるほどに。泪木にかかりて
枯たり。母は又つねに神なりを。おそれしかは死て後も。母の墓にゆき。
それがし爰に。まいりたりとて。母に力をつけけると也

慈母怕聞雷 氷魂宿夜臺
阿香時一震 到墓遶千廻

慈母は。母の事をいふ也 慈はめぐむと。よむ也。父を悲父といふ也。
雷を聞怕とは。母つねつね神鳴に。おそれ。られしをいふ也。

氷魂とは王裒をいふなり。人間をは氷魂といふ也。其心は。氷の魂と
よむ文字也。人の魂はきへやすき事。氷のごとしといふ心也。夜臺に宿すとは。夜も墓に行て。ねるとの事也。

阿香時一たひふるへはとは。阿香は神鳴也。ふるうとは。きびしく。
なりわたる事也。ねてゐる時も神鳴がなれは。其まま墓所へゆく也。
墓に至て遶こと千廻とは。母の墓所を。くるりくるりとめぐりいる也。
千廻とは。千めぐるといふ文字也。然とも千反(返べん?)にはかきらすいくたびも。めくる事也。尤孝行のふかき心。おもひやるべし
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八千代市飯綱神社の王裒。振り向いて雷神を見ています。