母親の下の世話を進んで行う黄山谷。奥さんをこき使った姜詩にも見習ってほしいですね。
ARC古典籍ポータルデータベースより
黄山谷
宋朝の人也 詩は東坡の弟子なり 家富貴にして人あまためしつかひしとなり
貴顕聞天下 平生孝事親
汲泉涓溺器 婢妾豈無人
貴顕天下にきこゆとは。山谷官職たかけれは。其名天下にかくれなきをいふ也
平生孝にして親につかうとはつねつね孝行にして。おやによく。つかへし人にて
あるとほめたる心也。
泉を汲て。にようきをあらふとは。母のやめる時は、みつから大小便をとり。
きよき水を汲て。けがれたる入物を。てづから。あらはるる也。是をもつて其
意(こころ)をしるべし其外の孝行をや。
婢妾豈なけんやとは。ひしやうとは女のつかひものの事也 母につきしたがふもの。
なきや。なるほと。たくさんに。あれども。てつからかやうにせらるる事は
ためしなき孝の心ざし也。
道をしりたる人ならではかくあるべきや。されは天下に其名きこえて。
上下万民かんじける也
佛曰 父母忽有染病 自看視不委大小下賤不離牀邊
是父母恩重経の文也 孝の心ふかき。ゆへをのづから佛意にも。あいかなふものなりと。ありがたく。たのもしくおもふ也
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ARC古典籍ポータルデータベースより
右端の黄山谷以外の3人だけ見ると漢文帝のようにも見えますが、飲食物を運んでいるのが二人とも女性である、というところがポイントですね。黄山谷は母親の下の世話を進んで行い、手を汚さない仕事を女性に任せた、というお話です。