丁蘭(ていらん)
漢の代の丁蘭はおさなき時父母にわかれて つかふる事をまつたくせず つねに父母のわが身をうみて いたはりそだてたまひし恩を思ひて 父母の木像をつくり これにつかふる事 生ける人につかふるごとくせり 丁蘭が妻ひさしきになれて 木ぞうをうやまはず 針をも…
丁蘭 刻木祀親「木に刻み親(しん)を祀る」 丁蘭は河內(かだい)の野王(やおう)といふ所の人也。十五の年父母に離れ二親に孝を以て養ふことを得ず 父母の姿を木像に刻み 朝暮孝を以て仕ふること生ける人に向かふが如し 丁蘭が隣に張叔といふもの有 常に…
丁蘭 刻木祀親 「木を刻み親(しん)祀る」若うして父母を失ひしぼうのあまり その木像を作り 日々怠らず仕へける ここにその隣の家なる 張淑といへるもの 常にこれを謗り 今日丁蘭が留守のひまに来たり 木像をののしり かつその杖をもって こうべを打ちぬ …
上野の国立博物館の東洋館へ、丁蘭の彫られた石を見に行きました。 龍や蛙、馬車の行列などいろんな場面が彫られています。丁蘭は左下の赤く囲った部分です。 赤丸が丁蘭、黄丸が供え物、緑枠が親の像の後ろ姿でしょうか。鳥がお供えを狙っているように見え…
丁蘭は後漢の世の人なり。幼きとき二親に離れ孝を持って養ひ仕ふることなきを嘆き、母は胎内の苦しみあり、父には養育の重き恩あり。我、この恩を報ぜざらんやとて父母の姿を木もて作りなし朝夕生ける人に仕ふるごとく孝行を尽くしけるに、あるとき丁蘭が妻…