丁蘭 刻木祀親 「木を刻み親(しん)祀る」
若うして父母を失ひしぼうのあまり その木像を作り 日々怠らず仕へける ここにその隣の家なる 張淑といへるもの 常にこれを謗り 今日丁蘭が留守のひまに来たり 木像をののしり かつその杖をもって こうべを打ちぬ かくて丁蘭帰りつつ このことを聞きて 大に怒り 張淑を打って傷つけるにより 官人来りて 丁蘭を捕らえ 牢屋につながんとす このとき丁蘭木像に向かひ 別れを告げけるに 木像の父母涙を流しけるによりて 孝心神明に通じたりと その罪を許されけり
丁蘭 刻木祀親 「木を刻み親(しん)祀る」
若うして父母を失ひしぼうのあまり その木像を作り 日々怠らず仕へける ここにその隣の家なる 張淑といへるもの 常にこれを謗り 今日丁蘭が留守のひまに来たり 木像をののしり かつその杖をもって こうべを打ちぬ かくて丁蘭帰りつつ このことを聞きて 大に怒り 張淑を打って傷つけるにより 官人来りて 丁蘭を捕らえ 牢屋につながんとす このとき丁蘭木像に向かひ 別れを告げけるに 木像の父母涙を流しけるによりて 孝心神明に通じたりと その罪を許されけり