二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

初頴日記故事・22 丁蘭






漢の代の丁蘭はおさなき時父母にわかれて つかふる事をまつたくせず つねに父母のわが身をうみて いたはりそだてたまひし恩を思ひて 父母の木像をつくり これにつかふる事 生ける人につかふるごとくせり 丁蘭が妻ひさしきになれて 木ぞうをうやまはず 針をもつて もくぞうの指をつきければ血出たり さて後に木像蘭を見て眼中になみだをうかめぬ 丁蘭あやしく思ひ 其わけを妻に問ひただし妻をさりけるとなり
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木を刻み父母をつくりたるに 形容のかたち存生の時のごとし 丁蘭が孝あるを見ても世間の人の子または「おい」となるものにつげ申なり 子「おい」たるものはそのおやに孝あらん事を心にかけねがひたまへとなり 劬労とは詩経蓼莪篇に哀々父母生我劬労といへるより出たり 劬労は苦しみほねを折りたる事なり


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人偏に至ると書いて「おい」。兄弟の息子の「甥」という意味と、同世代の親戚や同輩の男の子、という意味があるそうです。