虞舜 黄ていののちなり 父をこそう(瞽叟)といふ いとけなくして母におくれ
父の配(妻のこと)をめとりて 象(しやう)といへる子をうむ
父はもとより 「かたくもの」にして のちぞへを愛し また次男・象を愛し
舜をばはなはだ悪(にく)めども 舜はいささかこれを恨まず ただ父母に順ならんことを願ふのち ついに 大禍福の徳あらはれて 堯の譲りを受けて天子となりたまへり
曾(かつ)て幼き折に 歴山に耕したまふに 象来りて その力を助け 鳥来りて その
労をたすく これ孝心 天を感ずるなり
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2016/05/21に載せた記事の中の、
『繪本和漢二十四孝』の挿絵とほぼ同じ構図ですね。もとになる絵があったんでしょうね。
・「配」という字には「つれあい」という意味があると初めて知りました。「配偶者」の「配」と言われれば、なるほどと思います。
・「かたくもの」って言葉あるんですかね。『繪本和漢二十四孝』では「父は元より頑(かたくな)にして」と書かれています。「かたくもの」というのはきっと「かたくなな者」という意味でしょう。漢字だと「頑者」になりますか。「頑者」で検索すると埼玉のラーメン屋さん「頑者(がんじゃ)」ばかり出てきます。