天岩戸伝説の彫刻の上にある二十四孝の彫刻。右の男性は頭が水平方向に割れてしまっています。修復お願いしたいところ。
さてこの彫刻は曾参か朱壽昌か判断に迷います。
家の前に立つ母親は右手を上げて、左手は杖を突いている感じ。指を噛んでいたら確実に曾参の母親ですが、どちらかというと表の男性に呼びかけるような動作に見えます。これだけでは曾参の母か朱壽昌の母か判断できないですね。
そして母親と対面する男性の背中の荷物。薪なら曾参ですが、綺麗な俵型で、ちょっと薪とは違うような気がします。
↓これは曾参の切手。この絵のように彫刻でも薪の束を二束にして、一本の棒の両端に結わえているパターンが多いです。
↓こちらは飯綱神社の曾参。鎌も添えられ、一目で薪と分かります。母親の指は口元にあります。
↓同じく飯綱神社の、こちらは朱壽昌。朱壽昌の脇には笠と荷物が置かれています。
↓こちらは大杉神社の朱壽昌。角ばった籠を背負ってきたんですね。笠もあります。
こちらは書籍の挿絵の朱壽昌。海南刀切神社の彫刻もこれと同じく、荷物を背負い笠を手にして母親と対面しています。
ということで、海南刀切神社のこの彫刻はおそらく朱壽昌だと思われます。