二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/御伽草子 二十四孝・17 剡子

鹿の扮装をして山中にいたため、猟師に殺されそうになった剡子。

国立国会図書館デジタルコレクションより

剡子(ぜんし)
老親思鹿乳 身掛褐毛衣
若不高聲語 山中帯箭皈
剡子は親のために。命を捨んとしける程の。孝行成人なり。
其故は、父母老てともに両眼を煩し程に。めの薬なるとて。
鹿の乳をのぞめり。剡子もとより孝なる者なれば。おやの望をかなへ
たく思ひ。すなはち鹿のかわをきて。あまたむらがりたる鹿の中へ
まぎれ入侍れば。猟人これをみて。実の鹿そと心得て。弓にていんと
しけり。
其時剡子。是は実の鹿にはあらず。剡子と云者成が。親の望をかなへ度
思ひ。偽て鹿のかたちとなれると。こゑをあげて云ければ。猟人驚て
其故を問ば。ありすがたを語る。されば孝行の志深故に、矢をのがれて
帰たり。抑(そもそも)人として鹿の乳を求ればとて。いかでか得さすべき
なれ共思ひ入たる孝行の。おもひやられてあはれなり

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「ちょっと待った」のポーズ。

鹿だ!と思ったら人間じゃん!紛らわしい奴め!!と憤慨してそうな三人。

 

滑河観音の剡子。左端に剡子。猟師三人と犬がいます。

 

宝登山神社の剡子。鹿皮を着たおじさんは怪しい人物にしか見えない。