二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/御伽草子 二十四孝・15 郭巨

貧しい暮らしの中、老母が自分の食事を孫に分け与えているのが気の毒だから、という理由で我が子を殺害しようとした郭巨。

国立国会図書館デジタルコレクションより

郭巨

貧乏思供給 埋児願母存
黄金天所賜 光彩照寒門
郭巨は。河内と云所の人也。いゑ貧して母を養へり。
妻一子を生て。三歳になれり。郭巨が老母。彼孫をいつくしみ。
わが食事を分与けり。或時郭巨つまに語様は。
貧ければ。母の食事さへ心に不足と思ひしに。其内を分て孫に給はれば。
乏かるべし。是偏にわがこの有し故也。所詮汝とふうふたらば。
子二度有べし。母は二度有べからず。とかく此子を埋(うづみ)て母を能養度思ふ也と。
夫婦云ければ。つまもさすがかなしく思へ共。夫のめいにたがはず。
彼三歳の児を引つれて。埋に行侍る。則郭巨涙を押(をさへ)て。
少掘たれば。黄金のかまを掘出せり。其釜にふしきの文字すはれり。
其文に曰。天賜孝子郭巨 (官)不得奪民不得取と云々
此心は。天道より郭巨に給程に。余人取べからずと也。
則其釜をえて喜。児を埋ず。友に帰。母に弥(いよいよ)孝行をつくせるとなり

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ちょっといつもの郭巨の釜とは趣が違います。蓋がついてます。

埋められそうになった子どもは三歳ということですが、小さくてまるで生まれたばかりのように見えますね。

 

船橋市二宮神社の郭巨。釜が蓋付き。

 

宝登山神社の郭巨。彫刻ではこういう形の蓋無しの釜が多いですね。