亡き母を雷から守ろうとする王裒。
国立国会図書館デジタルコレクションより
王裒
慈母怕聞雷 氷魂宿夜臺
阿香時一震 到墓遶千廻
王裒は営陰といふ所の人也。
ちちの王義。ふりよのことによりて。帝王よりはつと(法度)に
をこなはれ。死するを恨みて。一期のあひだその方へはむかふて。
座せざりしなり。
父の墓所にゐて。ひざまづき礼拝して。かしはの木に取付てなきかなしむ程に。
涙かかりて木も枯たると也。
母は平生かみなりをおそれたる人なりければ。母むなしくなれる後にも。
らいでんのしける折には。いそぎ母の墓所へゆき。王裒これにありとて
はかをめぐり。死したる母にちからをそへたり
かやうにししてのちまでかうかうをなしけるをもつて
いける時のかうかうまで。をしはかられて有がたき事どもなり
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雷神と言えばこの出で立ちですね。雷神の太鼓を「雷鼓」というそうです。繋がっている太鼓は「連鼓」というそうです。この雷鼓は一つずつ音が違うんでしょうかね。
「到墓遶千廻」というのはお墓に行って、母を勇気づけるために墓のまわりをぐるぐる回った、ということですね。親孝行も一歩間違えると変な人。