橘の実を転がして有名になった陸績。
国立国会図書館デジタルコレクションより
陸績
陸績 懐橘遺母 三国の時の人也 六綵の方に行きけるに御馳走に橘を出したり 陸績密に三つを懐に入帰る時腰をかがめ地に落たり 袁術甚卑陋の由咎けるに 陸績畏て吾が為に出し給珍菓を無毛食(むげにくらふ)ことををしみ持帰り母に与へるなり答 満座感じけり
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ハイハイ、「六綵」の方に行ったんですね。「六綵」っていうのは地名か人名でしょうかねー。「修身二十四孝」見てみましょうねー。
(修身二十四孝)
三国の時の人なり 六才のとき袁術(えんじゅつ)かたへ行きけるに もてなしに たちばなをいだしたり 陸績ひそかに 三枚をふところにし 帰るとき 腰をかがめけるに地に落ちたり 袁術はなはだ 尾籠のよし咎めければ 陸績ひざまづきて 我がためにだしたもふ珍菓を無下に食らはんことを惜しみ 持ち帰る 母に与へんためなりと こたへければ 万座感じけるとぞ
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なんで「六才のとき袁術かたへ行きけるに」が「六綵の方に行きけるに」に変換・省略されてしまうんでしょうか。