ラストは陸績。
陸績ろくせき 字(あざな)公紀
陸績(ろくせき)は六歳の時 袁術と云人の所へ行き侍り。袁術陸績(りくせき)がために 菓子に橘を出せり。陸績(りくせき)これを三つ取りて袖に入れて帰るとて 袁術に礼をいたすとて たもとより落とせり。袁術これを見 「陸績(りくせき)殿は幼き人に似あわぬこと」と云ひ侍りければ 「あまりに見事なるほどに 家に帰り 母に与へんためなり」と 申し侍り。袁術これを聞きて 幼き心にて かやうの心づけ 古今まれなりと 誉めたるとなり さてこそ天下の人 彼が孝行なることを 知りたるとなり。
「ろくせき」になったり「りくせき」になったりしていますが、細かいことは気にしなくてもいいかな~。
陸績の足元には落とした橘の実。社寺彫刻では実が小さくて見にくいこともしばしば。
雨引観音の陸績。蟇股の小さいスペースに陸績、袁術、橘の実が収められています。ちゃんと器にまで実が盛られているのがうれしいですね。
ーーー 書籍 二十四孝 終 ーーー