母を車に乗せて故郷に向かう江革。並べると左右対称みたいに思える構図です。
国立国会図書館デジタルコレクションより
江革
江革 行(傭)供母 後漢の人也 世の乱に母を供へ他国に行き其身は素足赤躰に人に雇て母を養へける 其其後母治て故郷へ帰る時 母を車に乗せ午馬又驚き給はんと自ら是を抱き帰り世に孝経に孝と称し朝庭に聞へて高官を授らん行末目出度榮へけり
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例によってわけわかめな文章がちょくちょく入ってますね。「其其後母治て=そのそののち母をさめて」っていうのは「修身二十四孝」を参照すると「その後 世(よ)治まりて」のことですね。もう諦めの境地。
ということで修身二十四孝の江革。
(修身二十四孝)
後漢の人なり 世の乱にあひて 母を伴ひ 他国にゆきて 難を避け その身は 素足赤裸にして 人に雇はれて 母を養ひける その後 世おさまりて 故郷へ帰るとき母を車に乗せ 牛馬にては 驚きたまはんと 自ら引いて帰れり 世にこそ巨孝と称しける このこと朝廷に聞こえて 高官を授けられ 行く末めでたくさかえたり