明日からは「二十四孝詩選(全国書房) 禿氏祐祥 編 1946年」を見ていきます。国立国会図書館デジタルコレクションの中にあります。
禿氏祐祥(とくし ゆうしょう)さんは仏教学者であり、また龍谷大学の名誉教授でもあった方だそうです。
「龍谷大学蔵 甲本」と呼ばれるものです。「乙本」には挿絵がないそうです。
↓一枚目の画像。黒の無地の表紙に見えます。
↓二枚目の画像。左側に題字が書かれているのがわかります。
上の二枚は明るさを変えた、同じ表紙のようです。右上の管理シール(311ー106)が一緒ですね。
こちらが表紙の次のページです。
ハンコが押されてますね。拡大してみます。
「写字臺(台)の蔵書」と読めます。
写字台文庫・・・
「本願寺歴代宗主が収集・伝持してきた文庫で、真宗、仏教関係をはじめ、文学、歴史、自然科学、芸能等多岐にわたり、室町期にまでさかのぼる古刊本、古写本等のコレクションです。」(龍谷大学図書館HPより)
こちらは奥付。昭和21年と言ったら終戦の翌年ね。金百円。高いのかしら安いのかしら。日本出版配給株式会社なんていう会社があったのねー。
別の本、禿氏祐祥氏の「全相二十四孝詩選解説」の冒頭に書かれている内容によると・・・
中国の「全相二十四孝詩選」を室町時代に日本人が写伝し、さらに江戸時代には仮名文の説明を添えてたくさん出版されたそうです。初刊に最も近い絵入本を禿氏祐祥氏が昭和21年に複製し出版した、ということのようです。
全相二十四孝詩選解説 (冒頭部分)
古来孝道を重んじてゐた支那では、孝行を以て知られてゐる孝子二十四人を古記録中に求め、
その事蹟を五言絶句の詩に詠じ、図絵を加えてこれを刊行流布した。即ち元代の刊本「全相二十
四孝詩選」がそれである。この書は室町時代に写伝せられ、江戸時代には仮名文の説明をも添へ
た刊本が廣く行はれてゐた。初刊本に最も近い様式を保存してゐると推定される絵入本を複製す
るに際し、この書の由来並に支那日本に流伝された次第をも記述して、この書が教訓書として永
い間如何に重きを置かれたかを明かにしたいと思ふ。
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龍谷大学図書館貴重資料画像データベースの「新刊全相二十四孝詩選」ではカラー画像が見られます。