二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

漢土二十四孝伝・15 呉猛(ごもう)


呉猛は晋の世、濮陽(ぼくよう)の人なり。幼き時より孝行の聞こへあり。年八歳のとき、夏にいたれども家貧しうして蚊帳もなく、よろづ心に任せざれば我が衣をに着せ我は赤裸になりて、その傍らに伏し蚊に飽かしめて更に払はず。払へば親の方へ蚊の行かんことを恐れ我が肌を夜もすがら蚊に食はせて眠りにつかざりしとぞ。

その他の所業は推して知らる。真に孝行の志は感ずるにあまりあり。

( )母死してのち丁義(ていぎ)といへる仙人に従ひさまざまの仙術を授かりそののち年老ひてますます(*【せんこつどうふう】)備はりあまねく民の病苦を救ひ雲を呼び雨を降らし一日のうちに数千里の道を行き、遂に山中に入りて行方を知らず。

*「せんこつどうふう」って何?

―――
【あらすじ】
呉猛が幼いころ、家は貧しく蚊帳もありませんでした。呉猛は親が蚊にさされないように自分が裸になって蚊に吸われまくりました。

―――
日本脳炎・ジカ熱怖いです。呉猛の左にある黒いものは蚊遣り豚ですよね。かなりモクモクしてますが、効き目がソフトなんでしょうか、蚊は大挙して呉猛くんを襲撃しています。

親孝行な呉猛くんは後に仙人になって人助けしたあと山に消えちゃうんですね。「捜神記 巻1-26神秘の秘法」では大河の中に道を作ったモーゼのような、呉猛の奇跡の4つのエピソードが出ていました。

・捜神記(平凡社ライブラリー) No.26「神秘の秘法」
奇跡1:大風が吹いた時、呉猛が呪符を書いて投げると鳥が飛んできて紙を加えて飛び去り、風が収まった。呉猛にわけを聞くと、離れた場所の道士の舟が風で流され、救いを求めていたのだという。
奇跡2:西安の知事・干慶の死後3日目、呉猛が生き返らせた。
奇跡3:呉猛一行が揚子江を渡るとき、川面に呉猛が扇で線を引くと、その線の通りに流れが遮られ道が出来たのでゆっくり歩いて渡った。
奇跡4:ある人の家で突風が起こったので呪文を書いた紙を屋根に投げ上げると風が静まった。

―――
モチーフ。
1.裸の呉猛
2.爆睡お父さん
―――