黄庭堅(こう・ていけん)は宋の世の人。山谷老人と号す。若き時東坡(とうば)が門弟になり、{か }に達し官高く平生親に仕へて{もは }孝深し。
其の身高き位に上り妻もあり数多の召使もあれども常に母の大小便の器は人の手を借らず自らその汚れたるを洗ひ、その余、子たるものの親につかゆる道を尽くさずといふことなし。
その考道天理に適ひ立身いよいよ篤し。ついに大史官といへる位に上る。この山谷が博学多才なるは世の人よく知るところなり。この人ますます富み財宝蔵に満つれば、貧しく卑しき者に分け施し善根を積むこと{たしあかと?}かや。
古語に曰く積善の家には余慶あり。積不善の家には余殃(よおう)の失あり{ }日本の子供衆もこの本を読みたま{ }て親{ }に孝を尽くしたまへかし。
腰元:「我が君様はお袋様のお手水を手つからお始末をあそばすとはお奇特なことではある」
腰元:「私なんぞは宿におりますとき{とふして}大便や手水はおっかさんに始末してもらひましたからこれも孝行のうちでござりませう」(←どういうこと?)
{ }で囲んだところは判読不可能、もしくは読みが怪しい部分です。
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【あらすじ】
黄山谷は出世して多くの召使を抱える身となりながらも、母親の下の世話は自分がして、器も自分で洗いました。
川にダーと流してます。これも説明されないと何をしているのかわからないですね。私は男の人が花瓶の水を取り替えてるのかと思ってました。
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モチーフ。
1.黄山谷が母親の小水を川に流しているところ
2.女性
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