二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

女庭訓・19 ゆ黔婁


ゆ黔婁 嘗糞憂心 「糞を嘗めて心(こころ)を憂ふ」


ゆ黔婁は南斉の時の人也 せん陵といふところの官人に成て すなはちせん陵県へ至りけるが いまだ十日にもならざるに 忽ちに胸騒ぎしける程に 父の病み給ふかと思ひ 官を捨てて帰りければ 案のごとく 大に病めり ゆ黔婁 医師によしあしを問ひければ 医師 病者の糞を嘗めてみるに甘く 苦ければよかるべしと 語りければ 黔婁やすきことなりとて なめてみるに あぢわひよからざりければ 死せんことを悲しみ 北斗の星に祈りをかけて 身代はりにたたんことを祈りたると也
―――
ゆ黔婁の挿絵は祭壇に道具を並べて星を仰ぎ祈りを捧げるシーンが多いですが、これは馬を疾走させるアクティブな場面。就任10日にもならないうちに胸騒ぎがしたからって仕事捨てて実家へ飛んで行ったゆ黔婁。

>医師 病者の糞を嘗めてみるに甘く 苦ければよかるべしと

「甘く」のあとに欠落があるんでしょうか。「甘いときは重病」という意味の言葉が続くはずなんですが。