2018-08-17 女庭訓・20 陸績 陸績(りくせき) 書籍/女庭訓(渓斎英泉1843) 陸績 懐橘遺母「橘を懐にして母に遺(おく)る」 陸績六歳の時袁術といふ人の所へ行き侍り 袁術陸績がために菓子に橘をいだせり 陸績是を三つ取りて袖に入れてかへるとて 袁術に礼をいたすとて たもとよりおとせり 袁術是を見 わどのは幼き人に似あはぬことといひ侍りければ あまりに見事なるゆゑ 家に帰り母に与へんためなりと申し侍り 袁術是を聞きて 幼き心にてかやうの心づけ 古今まれなりとほめたるとなり さてこそ天下の人かれが 孝行なることを しりたるとかや