13番目は朱壽昌。
朱壽昌しゅじゅしゃう
朱壽昌は七歳の時 父その母を去りけり さればその母をよくしらざりければ この事を嘆き侍れども 遂に 会はざる事 五十年に及べり ある時 壽昌 官人なりといへども 官禄をも捨て 妻子をも捨て しん(秦)と云ふところへ たづねに行けるとて 母に会はせて給へとて 自ら身より血をいだして 経を書きて 天道へ祈りをかけて たづねたれば こころざし 深き故に つゐにたづねあへるとなり。
笠を手に、荷物を背にした旅姿の男性。家の前で出迎える、杖をついた老女。これぞ朱壽昌という感じの鉄板構図ですねー。