二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝図会(葛飾戴斗)・17 剡子

鹿の扮装をして山へ鹿の乳を採取に赴き、猟師に狙われた剡子。山中でこんな怪しい格好の人物が近づいてきたら撃つわね。奥の二階家が200年前の住宅っぽくなくて現代でもありそうな佇まい。

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1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵

剡子(せんし)

老親思鹿乳 身掛褐毛衣 
若不高声語 山中帯矢帰

剡子はかい國の人なり父母共に老て両眼をわづらいしが、
此薬に鹿の乳を用ればよしといへり剡子元より孝行ふかきゆへ
父母の望を叶へたく、鹿の生皮を求是をかづき山中にわけ入
あまた鹿のむらがりし中へ紛れ込、鹿の乳汁を取(とら)んとす。
かかる所へ猟師きたりて鉄砲にてねらひうたんとしけるゆへ、
剡子こへをかけやよ待玉へ猛者これはまことの鹿にあらず、
せんしといふ者なるがかやう/\のことなりと物語何とぞ親の望み
叶へたくおもふと有ける、孝行の志をかんじ、かりうどに鹿の乳を
もらい無事に帰て父母にあたへければたちまちぜんくはいしたり、
まことに孝心ふかゝりけり

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猟師に鹿の乳をもらったそうです。猟師も鹿乳を集めてたのか、それとも一緒に鹿を捕まえて採取したのか。まあ飲むわけじゃなくて目薬用ですから、何CCかあれば十分ですね。

二十四孝の剡子のお話では、鹿の乳は点眼薬としてではなく、眼病に効く飲みものとして採取していたようでした。(2022.09.28追記)