ラストは黄山谷。調度品や壁、植物、ひとつひとつの描き込みが細かいです。
1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵
黄山谷
貴顕聞天下 平生孝事親
汲泉涓溺器 婢妾豈無人
山谷は宋朝の詩人なり、今に至りて詩家の司といはるゝ人にて
東破の弟子なり、家にあまたの人をつかひ妻もありけれども自ら
母の大小便のうつわものを取あつかいて汚れたる時は、手づから
是をあらひ清めて母にあたへ朝夕よくつかへておこたる事なし、
されば一を以て十を知るときたなき限りをさへ斯のごとくなれば
其外の事おしはかられて侍る山谷が孝義天下に顕れ元より慈悲心
ふかく、下をあはれみ出入ほどの者にもふびんを加へ召つかひの
男女をめぐみふかゝりけるとぞ聞へし大舜の頃より代々に至りては
孝行もあまたあるべけれどもわづかに廿四孝をゑりだして、
世にながく賞賛するほどのものなれは孝中の孝にして眼中の
瞳(ひと)みなればおろそかに見るべからず
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三嶋大社の黄山谷。葛飾戴斗の絵を見ると、彫刻の場面も理解しやすいですね。
ーーー 葛飾戴斗の二十四孝図会(1819年) 終 ーーー