二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝諺解・7 呉猛

父親の安眠のために自分が裸になって蚊をおびきよせる呉猛

ARC古典籍ポータルデータベースより

呉猛

いづくの人といふ事伝記たしかならす。八才にして孝の道を。しれる人なり。
家まづしくして万(よろつ)こころに。たらずと也

夏夜無帷帳 蚊多不敢揮 
恣渠膏血飽 免使入親闈 

夏夜帷帳なしとは。帷帳は蚊屋の事也。ひんにして夏の夜。かやもなき也。
扨もあはれなる事かなとなげきたる也。

蚊多けれとも敢(あへて)揮(ふるは) ずとは。蚊がたくさんに。
くひつけども。さらに。おい。はらはぬ也。

渠(かれ)に膏血を。恣ままに飽とは。渠は蚊をさしていふ也。
膏血とは。あぶらづきたる身の。ししむらや。ち(血)の事也。
呉猛がわかき身の。あぶらや。ちを。蚊に。あく。まで。あたへたる也。
しかれば。屋内の蚊がとりつき。くらふといふ心也。

親闈に入しむることを。まぬかるとは。かくのごとく。ごもう。
わが身を蚊にあたへけるほどに。おやの方へは。蚊がゆく事なくして。
おや心やすく。いねたると也。親闈とは。おやのねところの事也

▲誠に八才などにして。かかる孝行の。心ありて。わがみを蚊にあたへ
親のなんを。すくひけるは。ありかたきとも。あはれなるとも。いひつくさんや。
ある人のいわく廿四孝の内。此絵を。見るたびに。泪をながすといはれけり。
さもあるべし。天下の人かくのごとき心あらすとも。子たるものはせめて
不孝ならずは是孝といふべし。子曰 天地の性は人を貴(たつとし)とし。
人之行は孝より大なるはなしと也。恥べし敬(つつし)むべし
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蚊が呉猛の身体のまわりにブンブン。

 

稲敷市大杉神社の呉猛。蚊はいないみたいですね。蚊がいないと、なんだか意味がよくわからない彫刻ですわね。

父親が急逝し、嘆き悲しむ息子の図です、と言われればそうかなあと思いそう。父親呑気に寝てるだけですけどね。