呉猛。呉猛の向きがこっち向きと向こう向きで、変化をつけてありますね。
国立国会図書館デジタルコレクションより
呉猛
呉猛 恣蚊飽血 呉猛は何時の人成こと言不知 八才の時孝行の名世に聞へ其家貧くて夏夜蚊帳の手当なく 父母蚊に悩み赤躰に成て父母の側に臥 虫と雖も父母食こと免よ父母は年老て血気薄く吾は満ち盛(さかんなれ)ば飽迄食可迚 躰も見へぬ迄集共其まま居たり
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今回は目立った疑問点はないようですが、念のため修身二十四孝の呉猛のテキストを添えておきますね。こちらは平仮名が多くて読みやすいですし。
(修身二十四孝)
呉猛はいづれのときの人といふを知らず 八才にして 孝行の名 世に聞こへたり その家はなはだ貧しくして 夏の夜 蚊帳のてあてなし 父母蚊に悩みたまはんことをおそれ あかはだかになりて 父母の かたはらに(に)ふして むしけらたりとも 心あらば 父母を食らふことを許せよ 父母は 年老いて 血気うすく 我は満ち盛んなれば 飽くまで 食らふべしとて 小さき身の はだえも見えぬまで 群がれとも 身を動かしなば 父母のかたへ 飛びゆかんを恐れ ほしいままに 与へけり まことに八才にて かくのごとくの孝ありがたきことにこそ