二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝諺解・14 曽参

薪採りの最中に胸騒ぎを感じて急いで帰宅した曽参。薪はちゃんと担いで帰ってきました。孔子の弟子ですが、子路閔子騫のように孔門十哲のメンバーには入っていないんですね。

ARC古典籍ポータルデータベースより

曽参

山東兗州府嘉祥縣の人也 孔子の弟子曽子の事也
家まづしけれど道を。まなびて道統の伝をつぎたる人也

母指纔方噛 児心痛不禁
負薪帰未晩 骨肉至情深

母指纔方噛とは曽参が留守に。人きたりければ。いまかへれかしとおもひて
母ゆびをかみたる也。わづかにかむとは そとかみたる也

児。心いたんでたへずとは。児はちごといふ字にて。そうしんが事也
心はむね也 山に。たききを。とりて居けるに。俄にむねがいたみて
たへがたき也。母のかへれかしとおもふ一ねん(一念)と。そうしんがつねつね
孝行の心と。つうじたる也

負薪て。かへることいまた。をそからずとは そのまま曽参か帰りたる也

骨肉しじやうふかしとは。おやこの間を云なり。こつは。ほねにて父の
おん。にくはししむらにて母のおん也。至情とは。おやこの間。なさけふかく
して。ゆびをかみたれは。そのいたみ。そうしんがむねへ。こたへけるは。
さてもさてもふかきはおやこの間かなとかんじたる心也。

▲そうじて曽参の事は人にかはりて。心と心の事をのべたり。とおき山中に
いけるにむねさはぎける事は。おやかうかうにしてつねつね。むつましきゆへ
天道より母の心をしらせたまふ也
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曽参、お客さんが来たから早く帰ってきておくれー。

思いを込めて指を噛むお母さん。思いっ切りではなく、そっと噛んでたんですね。

結局来客は曽参と会えたのか、それとも会わずに帰っちゃったのかは謎。

 

滑河観音の曽参。