二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

漢土二十四孝伝・21 王祥(おうしょう)

王祥は晋の世の人なり。継母朱氏に仕へて孝なり。継母は心きたなく王祥を憎みて我が産みの子王覧をのみ愛しけれども王祥は孝行の志を崩さず。あるとき冬の日に生魚を食せんことを望む。王祥に行きてみるに氷閉ぢて魚を求むるにたよりなし。されども王祥はいかにもして母の望みを叶へなんと思ひにければ衣を脱ぎて氷の閉ぢたるそが上にしばし臥してありけるが氷は体の温まりにて自づから溶け砕け、不思議や大きやうなる鯉ふたつ踊り出でぬ
これまったく王祥が孝心を天に通じてかくの如くなるべし。それより王祥は喜びて鯉を携へ急ぎ我が家に立ち帰り継母に供へければ継母も王祥が正孝を感じ、それより我が子王覧よりもひとしほ愛しけるとなり。その孝行の徳に依って後に大尉といへる高官に上れり。
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【あらすじ】
王祥は意地悪な継母にも孝行を尽くし、生魚を食べたいという継母のために真冬の凍った池に行き、服を脱いで氷の上に横たわりました。すると氷が溶けて割れ、池の中から大きな鯉が二匹躍り出たので王祥は捕まえて家に持ち帰り母親に捧げました。母親も感動して自分の子よりも王祥をかわいがるようになりました。

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・捜神記(平凡社ライブラリー) No.278「真冬の鯉」
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モチーフ。
1.王祥(はだか)
2.凍った池
3.飛び出す鯉2匹
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