二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝図会(葛飾戴斗)・7 王祥

王祥です。氷の下に透けた魚影が見えるのがニクいところです。脇の木に脱いだ衣を掛け、魚籠も置いてあります。王祥笑っていますが氷は大変危険な状況です。

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1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵

王祥

継母人間有 王祥天下無
至今河水上 一片卧氷摸

王祥はいとけなくして母をうしなへり、父後妻を求む
其名を朱氏といひ侍(はべる) 継母のくせとして父子の中をあしさまに
言なして、王祥を父に悪(にく)まし侍れども恨みとせずしていよ/\孝心おこ
たらず、継母にもよく仕へける かやうの人なりしゆへ実の母冬のきはめて寒き折ふし、生魚をほしくおもひける程に肇(茎)府といふ所の
川へもとめに行侍 されども厳寒の冬の事なれば氷とぢて魚みへず、
こはいかにせんとおもひしが衣をぬぎて赤はだかになり氷の上にふし
魚なき事をなげきかなしみ居たりしに、暫時有て氷少しとけて
魚二つ迄踊出たり、取て帰り母に参せ侍 今に至て氷はれば人のふし
たる形みゆるとなり

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王祥の話は「生魚を食べたい」と言ったのが実母だったり継母だったり、「母」というだけで実母が継母かわかならなかったりします。でもこの本でははっきり「生みの親が存命中だったときの話」になってますね。

前半の継母エピソードは不要なのではないか、いっそ実母ではなく継母の要求に応えて氷の張った川から魚を捕ってきた話にしたほうが冷たい継母も改心するきっかけになるし話としてうまくまとまるのではないか、といらぬことを考えてしまいます。