朱寿昌と曽參の絵は似ているものがあります。「母の待つ家に帰宅する」という共通する場面があるからです。
↑こちらは朱寿昌。地位を捨てて実家に帰ってきた朱寿昌と、喜ぶ母親。
↑こちらが曽參。曽參が薪取りに行ったあと急な来客が来たため、指を噛んで「息子よ、早く帰ってきてー」と祈った母親。そのテレパシーを受け取って飛んで帰った曽參。
朱寿昌と曽參、この二人の違いは外見と荷物ですね。立派に出世した朱寿昌はヒゲも生えて逞しい大人。遠くから帰郷したので旅姿です。一方この曽參はまだ少年のようです。取ってきた薪が脇に置いてあります。
↑これは朱寿昌です。多分旅を表す帽子だか笠だかを持ってます。背中に背負っているのは旅の荷物なんでしょうね。米俵と区別がつきにくいのですが、俵と比べると小ぶりですね。
↑こちらは米俵を背負って運ぶ仕事中の仲由。こうして比べてみると上の朱寿昌が背負っているのは重い米俵ではなく、軽そうな荷物に思えます。
↑これは薪を肩に負っているので曽參ですね。家の中の母親が指を噛んでいるので一層判断しやすいです。
ということで、これは「曽參」です。彫刻でも薪は振り分け荷物みたいな左右の束を棒の両脇につけてるのが多いです。お母さんが指を噛んでます。(八千代市飯綱神社)
これも同じような薪があるのできっと曽參ですね。撮影しにくい場所だったので斜めになりました。曽參の場合、絵でも彫刻でも薪と一緒にちゃんと鎌が添えられていることが多いです。(匝瑳市飯高神社)