二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

書籍/二十四孝図会(葛飾戴斗)・6 曽参

「曽参」といえば薪を担いだまま、または玄関先に放り出して母親のもとに駆け寄るシーンが主流ですね。こんな感じにね。

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初頴日記故事・3 曽參

 

こちらが葛飾戴斗タイトの「曽参」。木に登って枝の伐採中です。そして遠い我が家では一人留守番している母親のところに杖をついた客人が訪れたところ。右ページの曽参の振り上げたナタの下、岩の上にはすでに集めた薪がまとめてあります。この場面のあとまもなく、母親は指を噛んで「曽参早く帰ってきて」と念じ、胸騒ぎを感じた曽参は薪を担いで急ぎ山道を駆けおりるわけですね。

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1819年 葛飾戴斗 二十四孝図会 The British Museum所蔵

曽参

母指纔方噛 児心痛不禁
負薪皈来晩 骨肉至情深

曽参ある時山中へ薪をとりに行侍り、母留主して居たりけるに、
したしき友来れるにもてなしたくおもへども、参留主にて元より
家まづしければ心にまかせず曽参はやくかへれかしと、
母自から指をかめり曽参山にたきぎをきりて有けるが、
にわかにむなさわぎしける程にいそぎ家にかへりみれば
母ありしすがたをつぶさにかたり侍り、かくのごとくゆびをかみたるが
遠き山中にて、身にこたへたるはなんじが孝心ふかきゆえに、親のこころざし
かんつうせしなりとほめしことなり、子孝にして親慈あるもの
おやこの愛情かくのごとし、
総じて曽参の事は人に異りて、こころとこころとの上をいへり、
おくふかき事世の人およばざるところなりとぞ

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