二十四孝に会いに行く!

中国の親孝行な人たち・二十四孝に関するものを紹介していきます。

童子教・2姜詩

姜詩去自婦 汲水得庭泉
”姜詩、自婦を去って 水を汲みしかば 庭に泉を得たり”

後漢書にみへたり姜詩は廣漢といふところの人なり。母につかへていたって孝行なり。妻も又姑につかふることはなはだあつし。しかるに姑、魚の膾(なます)を好み、また井(いど)の水をきらふて江漢の河の水を好きこのみしかばそのみち六七里もあれど嫁は常にこれを汲みて姑にまいらせぬ。しかるにあるとき大風にあふて妻かへらずして、ひとひ母すきの水を飲まざりしことあり。そのとき姜詩妻をせめてそのまま去れり。妻はおのれがとがを知りて富貴なる家にも嫁入りせずして姜詩がとなりへ来たりて昼夜に紵(を)などをうみて、そのみを過ごし、うまきものあれば、たれとも名をいはずして常に姑へおくれり。姑あやしみてとなりの老母に仔細を問ふにありのままに告げしかば姑大(おおい)に嫁の志を感じてよびかへしけり。それよりして嫁姑の仲いよいよ睦ましかりし。そののちその子に水を汲ませけるが深きところへ汲み入りて、ついに死したり。かくてその家の庭に泉湧きいでしが、それより毎朝鯉が二献づつおどりいでければこれを膾にしその水を母に供へけるとなり。この故事を「李ぼく叔」が典言にものせたり。かの書には姜詩字は士遊とあり。

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子どもは痛ましいことに。