丁蘭。隣人トラブルバージョン。絵の中には丁蘭本人は不在。
画像は「ARC古典籍ポータルデータベース」より
丁蘭 刻木祀親
漢の丁蘭は。河内の人なり。少して父母を喪ひ。思慕のふかきより。木に刻て其かたちを造り。これに事ること生るにつかふるがごとく。朝夕定省のつとめおこたらざりけり。隣家に張叔なるものありて。常にこれを嘲弄しけるが。或時。丁蘭が留守をうかがひ。つと木像の前に至り、大に罵。杖を以て。其頭をうちけり。丁蘭かへりて。いつもの如く。木像を拝しけるに。其面よろこびざる色あり。妻亦其事を告ければ。丁蘭大に怒り。張叔を打擲して。傷るにより。官人来り。からめとり。獄に下さんとす。丁蘭木像に別れを告るに。木像涙を流しければ。官人あはれに思ひ。其よし言上しけるに。孝心の誠。神明に通じたるを御感ありて。其罪をゆるし給ひけり
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木像を拝む丁蘭はいつも隣人の張叔に馬鹿にされてたみたいですね。丁蘭不在時に木像を針でつついてた奥さんも多分とめるフリしてるだけだと推測します。
↓練馬区長命寺の丁蘭。挿絵とほぼ一緒ですね~。